羅漢堂の左手からは裏門に出られる。
裏門に当たる桜井門は、奈良十津川の桜井寺山門であり、四脚門の千鳥破風。
裏門の参道にも石灯篭が並んでいる。
さらに坂を下ると大黒堂と第二多宝塔、唐信寺が建っている。
大黒堂は奈良極楽寺にあった柿本人麿の歌塚堂を移築したもの。
ここにも重厚な石灯篭が置かれていた。
第二多宝塔は永享7年(1435)に兵庫県東條町の槣塵寺より移築した三間多宝塔。
一つの境内に多宝塔が二つあるのは珍しく、無差別に集めた結果であろう。
康信寺は遍額が架かる小堂のみのお寺だが、昭和50年に堤義明が開基したという変わり種。
写真は康信寺堂内。
これで境内を一周したことになる。満足感とともに微かな違和感を胸に不動寺を後にする。
全国から歴史的建物を集めたところとしては横浜三渓園、愛知県の明治村が代表的であるが、一寺院の境内に集められたのは珍しい。
写真は境内。