防府(ほうふ)と言っても、知らない方が多いかもしれない。山口県瀬戸内海側

のほぼ中心に位置する。古代には国衙が置かれた地であり、明治維新直前には

毛利藩邸が移転してきていた。

私事ですが母の実家があり、少年時代は毎年夏休みとお正月は必ず訪ねていた。

今でも防府天満宮を始めとする古くからの寺社や遺跡が残っている。海側の三田尻

地区も多くの見所があったが、今回は市内山側の防府地区を再度訪ねてきた。

今回、防府を訪ねたのは11月下旬であり、紅葉が写り時期的に少しずれているが

ご勘弁ください。

 

博多からの帰りに途中下車して山口県防府の寺社巡りを思いつく。10数年前にも

訪ねているが、記憶があまり定かではないため再訪することに。

博多駅から新幹線に乗って新山口駅で乗り換えて、在来線で防府駅に下車。

子供時代には度々訪ねているが駅前は様変わりしてしまい、昔の面影はどこにも

ない。

観光案内所に立ち寄って地図を入手、とりあえず行きはタクシーで阿弥陀寺にと

向かう。

この辺りで一番高い大平山の麓に位置しており、紫陽花寺として名高いがこの日

時期外れということもあり閑散としていた。

写真は参道。

 

入り口の仁王門は貞享2(1685)に再建された。

東大寺再建のために朝廷より周防一国の租税を寄付され、重源上人が周防国務

管理に下向されて建立されたという由緒正しい寺である。

 

金剛力士像(国重文)は鎌倉時代造で、応永12(1309)修理の銘が残る。

 

仁王門の手前左に地蔵堂が祀られていた。

永和2(1376)銘の地蔵菩薩を安置。

 

石畳の参道を登って行く。

左右に石畳が分かれているが、左の道を登り本堂に向かう。

途中、宝篋印塔や五輪塔、石塔が点在している。

参道に沿って枯れ川がある。

 

ようやく中門に到着する。

 

前左手にはアジサイ園が広がっている。その季節ではないのが残念。

 

前右手には、開祖重源上人がよく腰を掛けられたという霊石と影向石がある。

 

山門を入ると真ん前に本堂が建っており、右手の入り口より自由に上がって休息

してくださいとある。

享保16(1731)に領主毛利広政が再建。

本尊は阿弥陀如来立像。宗派は華厳宗、山号は華宮山。

 

写真は本堂内部。

 

本堂の左手には池が広がっている。

 

さらに庫裏、書院が建っている。