次に程近い高岡市の国泰寺(こくたいじ)に向かう。
総門前に「竹の子茶屋」があり、竹の子の季節に伺ってみたいものである。
細い参道の先に質素な総門が建っている。
臨済宗国泰寺派総本山であり、山号は摩頂山。
周囲には国泰寺派の寺院が点在しているという。
さらに組物が素晴らしい三門。朱塗りの仁王像を安置している。
境内に入ると左手奥に六角観音堂が建っていた。
人里離れた山麓に静かに佇む堂宇群は見飽きない。
永仁2年(1296)に慈雲妙意が開山し、後醍醐天皇の勅願所でもあった。天皇の庇護の
もと京都南禅寺と同格の勅願所となり、座禅の修行道場として発展した。
天正13年(1585)に現在地に移転してきた。
しかし明治の廃仏毀釈によって一時荒廃したが、山岡鉄舟の尽力で再興した。
縦長の優美なお堂である法堂は享保年間(1720年頃)築。
その前には龍淵池と石橋が架かる庭園が設えてある。
その右手には鐘楼が建っている。
広い境内は全く人の気配がなく、方丈に入り大声で「お願いします」と叫ぶも応答
はない。
前回訪ねた時、大方丈では無料で拝観してくださいと言われたことを思い出して
拝観することにした。
月泉庭と名付けられた石組の庭園は昭和49年の作庭。
一番の巨石は重さ約42トンもあるとのことで、日本一と言われている。
花頭窓の美しい禅堂も庭園に映えていた。
また毎年6月2,3日の開山忌には尺八法会が開かれており虚無僧の寺としても知られる。
庭から見た法堂の裏側。
写真は大方丈の内部。
大方丈の玄関。
境内の右手に事務所兼庫裏であろうか大きな建物とその手前に宿泊所。
最後にもう一度、法堂前の池泉庭園を見ながら後にする。
境内では観光客は無論のこと、誰一人として出会わなかった。そのため今回も大方丈
の裏側にある利生塔などを見ることができなかったのが心残りである。