16日から久しぶりに三泊四日で寺社巡りの旅をしてきた。

メインは奈良の霊山寺、山の辺の道の石上神宮長岳寺、大阪の葛井寺野中寺

道明寺であるが、その前に名古屋に前泊して永保寺を訪ねることにした。

今回は訪ねる寺院すべて再訪問であるが、10数年以前の訪問であり、写真も残って

いない寺社もある。

 

16日は三連休の最終日ということもあり、新幹線もガラ空きで名古屋に到着。

ホテルに荷物を預けて中央線に乗り、40分で岐阜県多治見駅に到着。

駅前からタクシーに乗って永保寺(えいほうじ)に。12年近く前に友人の車で訪ねて

以来であるが、池に架かる無際橋が工事中であったのが心残りで再訪した次第である。

 

黒門前でタクシーを降りる。黒門は簡素な門ではあるが、右手に大書院、左手奥は

土岐川の流れを見ながら参道を進む。

 

開創は正和2(1313)に夢窓疎石。疎石がこの地を訪れた時に中国の廬山の風景に似ていた

ことに由来する。

ただ平成15年の大火災により本堂・庫裡などを焼失した。前に訪れた時は空き地であったが、

庫裡(天厨院)に続いて左には平成23年に本堂(華蔵庵)が再建されていた。また右には書院

(碧天閣)が建っていた。

写真の左が本堂、右が庫裏。

 

写真は大玄関。

宗派は臨済宗南禅寺派、山号は虎渓山。

 

前に鐘楼と大イチョウがある。

大イチョウは樹齢700年と伝わる。

 

国宝観音堂は仏殿に当り、南北町時代の正和3(1314)築の禅宗様式で、方三間の

一重裳階付きの入母屋造。

檜皮葺の屋根の反りが極めて優美である。

 

すぐ右横に鎮守堂。

 

観音堂前に広がっている池泉式回遊庭園は臥龍池と呼ばれ、無際橋と呼ばれる屋形のある橋が

架かっており実に風流な眺めである。

境内は名勝庭園となっており、51300㎡と広く自然の地形、景観を生かして作庭されており、

眺めていると忘我の境地になりそうである。

 

観音堂の左後ろには梵音巌が聳えており、その上に茅葺の小さな六角堂が建っており、

まさに南宋画の世界である。

 

六角堂にまで登ってみたが近寄れない。

 

東に歩くと土岐川の流れも庭園の一部に取り込まれていた。

写真は土岐川の流れ。

 

池の東側に塀に囲まれて禅堂が建っているが入れない。

 

池に沿って南に歩いてゆくと緑の樹木に囲まれて国宝開山堂が建っている。

少し変わったお堂であり、方一間の祠堂の前に方三間の昭堂(礼堂)が建っており、

相の間で繋いでいる。檜皮葺の一重裳階付き。

最近の調査で正慶元年(1332)に工事が始まったとされ、足利尊氏が建立と伝わる。

近寄れないように縄張りがしてある。

 

開山堂から戻る途中、臥龍池と橋と観音堂を反対側から写す。