芝東照宮を出て日比谷通りを北に歩くと左手に立派に門が立っている。
旧台徳院霊廟総門(国重文)であり、入母屋造の八脚門。
安置されている仁王像は18世紀頃の作。
ここから先に入るのは初めてである。
先に何も見えない石段を登って行くと見渡す限りの広い公園になっており、東京タワーが一望できる。
都心のど真ん中にこんな空間があるのを始めて知った。
さらに西に向かって樹木の中、遊歩道が付いている。
遊歩道を歩いてゆくとザ・プリンス・パークタワーの南エントランスに出た。
この辺りも旧台徳院霊廟の跡地だったとのこと。
旧台徳院霊廟は二代将軍徳川秀忠の御廟であったが、空襲で門を除いてすべて焼けてしまった。
往年は壮大な霊廟を誇り、入り口の総門の先に勅額門、さらに左右に丁子門から中門、
透塀に囲まれて本殿・相の間・拝殿からなる御霊屋が建つ。さらに御成門の先に奥之院があり、
五重塔も聳え立っていたという。
焼け残った勅額門、丁子門、御成門(いずれも国重文)は埼玉県の狭山不動寺に移築されている。
私も訪ねて行ったたことがある。
写真は絵葉書よりコピーした旧台徳院霊廟の奥之院宝塔。
写真はこのあと訪ねた増上寺徳川将軍家墓地内の秀忠とお江の墓。
他の将軍の墓と共に並べられており、窮屈さを味わっていることであろう。