金剛輪寺からは高速道路に入らず8号線経由で竜王町の苗村神社に向かって車を走らせる。
苗村神社(なむらじんじゃ)は西本殿地区と東本殿地区に分かれている。
まず西本殿地区に。社殿の裏側に広い森が広がっているが、社殿の建つ境内には樹木はほとんどない。
入り口には大鳥居。ダウン
イメージ 1
 
楼門(国重文)は三間社一戸楼門の入母屋造茅葺であり頭でっかちな造り。
応永年間(13941427)に建てられと推定される。ダウン
イメージ 2
 
写真は拝殿。右下矢印
祭神は那牟羅彦神、那牟羅姫神、国狭槌尊。相殿として大国主神、事代主神、素戔嗚尊。
イメージ 3
 
透し塀に囲まれた本殿(国宝)は徳治2(1308)の再建で、三間社流造の檜皮葺。右下矢印
殿内の厨子も国宝指定されている。
創建は垂仁天皇の御代に当地方の開拓をされた御祖を祀ったのが始まりとされ、祭神那牟羅(なむら)と同音となる長寸(なむら)神社とした。
さらに寛仁元年(1017)に朝廷に門松用の松苗を献上することになり苗村(なむら)神社と呼ぶようになった。
安和2(969)に社殿が造営されたと伝わる延喜式内社。
イメージ 4
 
本殿の右には十禅師本殿(国重文)。上の写真の右の社殿アップ
一間社流造檜皮葺で室町時代築。
本殿の左には八幡社本殿(国重文)ダウン
やはり一間社流造檜皮葺で室町時代築。側面に板扉の出入り口を持つ。
イメージ 5
 
社殿の右に護国社と神輿庫(国重文)がある。ダウン
神輿庫は桁行四間、梁間二間の切妻造りで、正面と北面に出入口があるほかはすべて板壁。
天文5(1530)に勅使の装束召替仮殿として建てられたという。
イメージ 6
 
楼門を入ったところに龍神池を中心とした公園風に設えて、龍神を祀っている。右下矢印
イメージ 7
 
また境内の隅に不動明王堂があり、安置されている不動明王像は国重文。

西本殿鳥居前の道路を渡ったところに東本殿地区の森が広がっている。

写真は東本殿入り口の鳥居から参道。長寸神社の扁額が架かる。左下矢印
広大に樹林の森が広がり、この森の中に八基の古墳が見つかっているという。
イメージ 8
 
東本殿(国重文)は、前庭の石灯篭に永享4(1432)銘があることより同時期築と推定されている。ダウン
元々の本殿である。
本殿の右には天神社、左には佐々貴社が祀られている。
イメージ 9
 
なお三十三年ごとの大祭は2015年に終わったばかりである。