湖東三山の最後の善水寺は草津線を越えて十二坊温泉の近く、岩根山の中腹にある。
駐車場から入ると右手に庫裏があり、その先に建っている鐘楼堂は天保5年(1834)築。
国宝本堂は貞治3年(1364)再建の入母屋造檜皮葺、桁行七間梁間五間の大きなお堂であり、前方二間が外陣、後方三間が内陣となっている。
天台宗の寺院、山号は岩根山。
和銅年間(708～714)に和銅寺として創建された。
内部には本尊薬師如来像をはじめ梵天・帝釈天、金剛力士、四天王、僧形文殊菩薩、二天王など15体が国重文など三十余体を安置している。
なお金剛力士像、二天王像は旧二天門に安置されていたもので二天門は今はない。
写真は本尊薬師如来像(国重文)。
仏像はいずれも買い求めた絵葉書よりコピー。
写真は不動明王像(国重文)。
元三大師堂の前、本堂の右手に池が広がり庭園風に作庭されている。
正徳3年(1713)の再建。
写真は池と元三大師堂。
この池は百伝池であり、寺名の元となっている。
伝教大師がこの寺を訪れた際、病の桓武天皇のためにこの水を加持して献上したところ快癒されたため、岩根山善水寺の寺号を賜ったという。
小振りな百伝弁才天堂が祀られている。
池の奥に善水元水があり、その奥には六所権現社。
希望者は水を持ち帰れる。
さらに坂道を登ってゆくと明治9年造の行者堂が護摩壇と共に建っている。
写真は高台から本堂と百伝池を見下ろしたもの。
本堂の左手にも閼伽井を中心に小さな庭園がしつらえてあり、ちょうど枝垂桜が満開であった。
この他、駐車場から長い参道を下ってゆくと観音堂(元禄9年築)、地蔵堂、不動岩などがある。