いよいよ目指す妙興寺の正面入り口に来た。
10年位前に一度訪ねてうるが、今回は境内の確認のため訪れた次第。
というのも当寺は修行道場のため、境内の詳細図がなく記憶が曖昧になっていた。
鬱蒼とした樹木の中に堂宇や塔頭が点在する素晴らしい境内である。
樹木の繁る参道の先にある総門を潜る。三間の薬医門。
尾張徳川家大曾根屋敷から延享3年(1746)に移築されたもの。総門・勅使門・池・山門・仏殿が一直線に並ぶ禅宗様式。
総門をやや左に寄せて建てているのは、鎌倉時代の禅宗伽藍の特徴とのこと。
続いて勅使門が建っている。
創建当時から建っている唯一の建築物であり、切妻一間一戸四脚門で国重文。
勅使門の先に池が配されており、真ん中に石橋が架かっている。
今は近づけずまた渡れない。
勅使門辺りの紅葉はわずかに色付いていた。
その先に豪壮な三門が建つ。
明治11年の再建であり、三間三戸の楼門。
楼上には江戸時代造の釈迦三尊・地蔵菩薩・十六羅漢像を祀る。
さらにその直線上に仏殿が建っている。
中心となる建物であり、足利六代将軍義教筆「妙興報恩禅寺」(正式な寺院名)の額が架かる。
臨済宗妙心寺派の寺院、山号は長嶋山。
創建は貞和4年(1348)に滅宗宗興が開山。
その後足利二代将軍義詮の祈願所となり、後光厳天皇の勅願寺として隆盛し、最盛期には塔頭8、末寺13寺を数えた。
内部は自由に拝観できるし、写真もOKですとのこと。
中央須弥壇に釈迦三尊像を安置している。
光背から台座まで南北朝創建当初の作であり、脇侍は白象に乗る普賢菩薩、蒼獅子に乗る文殊菩薩像。
本尊のアップ。
写真は厨子の台座の絵。
仏殿の天井画。