翌朝は珍しく朝から生憎の雨模様であるが、お蔭で猛暑は和らいでいた。
当初はバスで南湖公園に行くつもりであったが、着いたバス停からかなり歩くこともありタクシーで行くことにした。
南湖公園は、名君であり茶人でもあった白河藩主松平定信によって享和元年(1801)に築造された日本最古と言われる公園である。
定信はその後、老中として寛政の改革をした為政者として良く知られている。
 
南湖は溜池として周辺の田を潤し、また藩士の水練・操船訓練にも備えた。
運転手さんの話によると子供の頃はボート遊びで賑わっていたというが、今はボートなどは無く歩いている人も全く見かけなかった(雨のせいもあるが)
そのため南湖周辺は自然が一杯であり、水面にも水草が茂って風情満点である。右下矢印
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湖畔に建っている共楽亭に立ち寄る。ダウン
定信によって眺めの良い場所に建てられた茶室。
「士民共楽」という思想を掲げて、身分を越えて敷居を廃して楽しみを共にしたという。
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横に歌碑が立っている。ダウン
南湖に十七の景勝地を定めて名前を付け、これを題材にして親しい大名・公家・儒学者に和歌や漢詩を依頼して文政3年に立てた「南湖十七景詩詩歌碑」の一つで、これは定信自身の歌碑である。
「やま水の高きひききも 隔たりなく 共にたのしき 円ゐすらしも」
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また少し高台にある立派な石碑は「棚倉藩鎮英魂碑」。ダウン
戊辰戦争の棚倉藩士の戦死者の霊を鎮めるために明治17年に建てられた。
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続いて翠楽亭、南湖神社前で下車する。
翠楽亭の前に松平定信像が立っている。ダウン
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翠楽亭は池泉回遊式庭園。
書院造りの松楽亭をバックにした池と庭園が見事にマッチしている。左下矢印
幸い、園内には私一人であり自由に走り回ることができた。
タクシーを待たせているので料金が気になって走り出してしまう私の習慣が出てしまった。
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園内の植え込みの手入れが素晴らしく見応え充分。ダウン
一人で見るのが勿体ない位であった。
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庭園の奥に秋水庵があり、呈茶や各種会合が行われているという。
写真は秋水亭前の庭園風景。ダウン
 
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