和歌山の旅の最終日は、駅前からバスに乗って和歌山城に行く。
天正13年(1585)に秀吉が紀州を平定し、弟の秀長に命じて藤堂高虎の普請によって建てられた。秀長は大和郡山を居城としたので、桑山重晴が城代を務めその後城主となる。
関ヶ原の戦いの後、浅野幸長が37万6千石で領主となり、城の大規模な増築をして城下町を整備した。
元和5年(1619)に家康の十男・頼宣が55万5千石で御三家紀州藩として入国した。
公園前バス停から、まず一の橋を渡ると大手門。
現在の門は昭和57年の再建、橋も翌年の昭和58年に架け替えられた。
右手に石垣を見ながら南に歩くと伏虎像がある。
和歌山城は別名「虎伏山竹垣城」と呼ばれている。
海上から見ると城が建っている山が虎が伏せているように見えるという。
その右手は二ノ丸跡の公園になっていた。
さらに南に歩くと右手に天守閣に向かう表坂がある。
表坂を登って西に向かって歩いて行く。
途中、石庭「七福の庭」がある。
七つの石を七福神に見立てて配置し宝船に乗っている様子を表している。
さらに先端と後方の石は舳先と船尾を表現し江戸時代にはやった形式で、元は本殿御殿にあったものをここに移したという。
ようやく天守閣の入り口に出た。
浅野家がほぼ今の天守閣を築造し、大天守、多門、二の御門。二の御門櫓、多門、乾櫓、御台所、小天守と続く連立式天守であった。
その後落雷で焼失後、再建された(国宝)が大空襲で再び焼失。昭和33年に鉄筋コンクリートで復元された。
連立式天守閣であることが判る写真。
表坂に戻ってからさらに下って行き岡中門跡に。
岡田門から出るが、元和7年(1621)に建てられた二階建の門で、土塀と共に国重文指定されている。
現在、唯一残っている当時の遺構である。
この後、一旦和歌山城を後にするが整理の都合上、和歌山城の西地区を先に記したい。
不明門跡から再び和歌山城公園に入る。
和歌山城公園の一角に護国神社がある。
社殿等は鉄筋コンクリート造。
写真は西口に位置する追廻門。
砂の丸から二ノ丸に通じる細い道は鶴の渓と名付けられている。
城主である浅野家がここに鶴を飼っていたことに由来する。
ようやく西之丸庭園に到着。
初代頼宣が西之丸御殿に築造したもので紅葉渓とも呼ばれている。
渓状の地形を利用して小さい「上の池」を堀り、内堀を大きな池に見立てた池泉回遊式庭園にしている。
内堀には柳島を配置している。
また内堀に突き出して鳶魚閣を配置し、奥に見える御橋廊下との景色も見応えがある(写真)。
なお御橋廊下とは、西之丸と二ノ丸大奥を繋ぐ廊下橋であり、藩主と一部のものが通行できた。
風雨を避け、外から姿が見えないように屋根と壁を設けている。
両岸の高低差があるため斜めに架かっており、滑らないように廊下の床板を鋸歯状に組んでいるという。今の橋は塀頼１８年に復元したもの。
また高台に離れ座敷の聴松閣と茶室水月軒が建てられている。
写真は西の丸庭園の上の池。
写真は帰りの市役所バス停前から和歌山城の御橋廊下と天守を撮った。
観光写真に見られるショットである。もう少し画面を絞って撮ればよかった。
