タクシーに乗って上横須賀の北方にある大通院、華蔵寺、花岳寺を巡ることにする。
大通院近くになって運転手さんが、近くに古いお堂がありますよと言われたので立ち寄ってみた。
精立寺とあるが、まるで打ち捨てられたような崩れかけたお堂が建っているのみ。
入り口の障子が少し開いていたので中に入ってみると、正面に仏像が並んでおり立派な堂内である。
堂内の左手に、布団などが敷かれ誰かがここで生活されている様子である。
そっと障子を閉めて後にする。
大通院は慈覚大師の創建であり、最盛期には七堂伽藍の大寺であり、清和天皇の祈願所であったという。
また近くにある瀬門神社の別当寺でもあり、東条吉良家の宿老富永家の菩提寺でもあった。
しかし今は境内も狭く細々と法灯を守っているようだが、あちこちにその栄華の名残りが覗えた。
門前に石仏がずらりと並んでいるが、長い風雨で顔など判別できないほど磨耗している。
写真は荒れ果てた本堂。
かっては天台宗、今は浄土宗西山深草派の寺院。
境内一面の雑草に埋もれて稲荷堂が建っている。
元は小牧陣屋の鎮守であったものをここに移転。