愛宕神社に向かう途中、左手に樹木の茂る境内が見えたので立ち寄ると天徳
寺であった。
8年位前にこの辺りの寺院を軒並み訪ね歩いた時は何故か印象が薄かったの
だが、今回改めて見るとなかなかの佇まいである。
当時のメモを見ると本堂が工事中であり、境内はかなり荒れていると記され
ている。
また改めて調べると由緒ある寺と判明したので、「好きな300寺院」に入
れることにした。
 
158 天徳寺
宗派   浄土宗
山号   光明山
開創   1533年  1611年に現在地に移転
本尊   聖観世音菩薩
住所   港区虎ノ門3-13-6
 
秀忠より100石の朱印を授けられ、浄土宗の江戸四ヶ寺の一つである。
また尾張徳川家、越前福井藩松平家の江戸における菩提寺でもあった。
写真は入り口。ダウン
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境内は結構樹木が多く、境内の右手に古くなかなか趣のある木造観音堂が建つ。ダウン
西之窪観音とある。
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近代的な鉄筋六角堂の本堂は2005年に建ったダウン
以前訪ねた時は工事中だったところ。
また境内の西側にモルタル鉄筋の建物があり、「傘樹峰」との看板がある。
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また当寺は安政6年、東シベリア総督ムラヴィヨフと樺太境界線について談判した場所でもある。
境内の入り口近くに篆刻の大家である高芙蓉、河井荃盧の墓が並んで立つ。
 
境内の片隅に石仏、石碑がならんでいる。
その中の板碑は一尊種子板碑と言われ高さ67cm。
1298年銘が刻まれており鎌倉時代の貴重な板碑である。
写真中央の小さな板碑。ダウン
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いよいよこの日の最後である愛宕神社に。
神谷町側から新橋に通じるトンネルの手前左手の裏道を登って行く。
 
159 愛宕神社
祭神   火産霊命  配神 罔象女命、大山祇命、日本武尊
創建   1603年 
住所   港区愛宕1-5-3
 
境内は標高26mの愛宕山の山頂にある。
家康の命により江戸の防火・防災の守り神として創建された。
家康の持仏「勝軍地蔵菩薩」を安置している。
何といっても有名なのは「出世の石段」と呼ばれている石段を、講談でお馴
染の曲垣平九郎が駆け上がった馬術の妙技であろう。
これは正面に切り立つような急石段が続く男坂ダウンで行われたことであり、さらに右手に緩やかな女坂がある。
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鮮やかな朱塗りの鳥居の先に質素な社殿が建つ。ダウン
昭和33年に再建されたもの。
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末社として太郎坊社福寿稲荷ダウン、大黒天社、弁天社などが祀られている。
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勝海舟と西郷隆盛が「江戸城明け渡しの会談」をした場所としても歴史に名
を残し、また桜田門外の変」で水戸浪士が終結した場所でもある。
 
この後新橋駅まで歩き、近くの居酒屋に入って反省会となる。
この日はいつもと違って増上寺の特別拝観をしたこともあり充実感もあっ
た。
次回は一泊の遠足で、栃木県大田原市の大雄寺、雲厳寺などを訪ねることに
して散会。