能生町でわざわざ途中下車したのは、この能生白山神社を訪ねたかったからである。
創建は古く定かではないが崇神天皇11年の鎮座とも言われる古社中の古社。
当初は奴奈川神社であったが、奈良時代に白山大権現と改められた。
最盛期、別当寺の泰平寺は七堂伽藍に75の末社と50余坊があり、3000石を領していた。
写真は入り口ダウン
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割と平地に近い高台にあり、境内からは日本海が一望できる。
祭神は伊佐奈岐命、奴奈川姫命、大国主命。
何といっても豪壮そのものの造りの茅葺拝殿が目立つダウン
1755年築で、当初は講堂といったという。
中を覗くと拝殿らしくなく集会所といったところか。
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重文指定本殿は1515年築で、三間社流造り、全面に一間の向拝を付ける。ダウン
左右が非対称の独特な建築様式という。
垣根が邪魔してなかなか写真が撮れず苦労する。
さらに一段高く宝物殿などがあるが、工事中で近づけなかった。
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拝殿の右手前に建つのは神輿殿・奏楽殿であろうかダウン
寄棟造りの瓦葺の建物。
また境内には秋葉神社もある。
白山神社社叢には暖地性と寒冷地性の樹木が入り混じった300以上の樹種があり、またヒメハルゼミが発生し、いずれも天然記念物に指定されているという貴重なもの。
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すぐ近くにある歴史民俗資料館を訪ねるが、この季節は土・日曜以外は休館であった。
茅葺の曲がり屋のような建物であり、古民家そのものである。
こんな資料館も珍しい。ダウン
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時計を見るとまだ時間がたっぷりあるので、海岸の砂浜に出て能生漁港の手前にある弁天岩を訪ねる。
朱色の曙橋によって渡れるようになっている。ダウン
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糸魚川といえば、学校で習ったフォッサマグナを必ず思い出す。
この弁天岩は約300年前のフォッサマグナの海底で噴出した安山岩質火山角礫岩でできているとのこと。
これらの火山噴出物が海底の漁礁となり、この辺りの豊かな漁場ができたとのこと。
 
能生町の古い漁師町の通りを歩いて駅に向かう。
一番の大通りで動いているものは散髪屋の広告ネオンだけであるがダウン、小路からふいに鍬を担いだおばあさんが出てきて思わずギョツとするが、丁寧に挨拶をされる。
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この町に一軒だけあるセブンイレブンに入ってオカズとおにぎりを買い、駅の待合室で一人ゆっくりと食事をする。
久しぶりにのどかな気分になる。