さらに旧谷口家住宅がある味真野苑を訪ねる。
旧谷口家住宅は1808年頃の築、入母屋造り茅葺平屋建で重文指定。
前後につのやを設けた変形であるダウン
元は農家、広い土間と囲炉裏のある土座を中心に八部屋あり、仏壇の間も備えている。
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味真野苑は広い丘陵地に花々が植えられた公園である。ダウン
万葉集をコンセプトに、万葉のロマンに浸れるように広がっている女性的な公園である
万葉の相聞歌碑なども点在する。
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その一角に万葉館が建っていた。
味真野にゆかりの万葉集の歌が展示され、当時の背景や中臣宅守、狭野弟上娘子、大伴家持、大伴池主などこの地で活躍した人物が理解できるように展示されていた。
館員の方の説明は詳しく素晴らしいものであったが、タクシーを待たせていることもあり20分ほどで後にする。
写真は万葉館近くの日本庭園ダウン
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味真野地区探訪の最後は、延喜式内社である大滝・岡太(おかもと)神社を訪ねる。
権現山の頂きに奥の院、麓に里宮があるが、今回はその里宮を訪ねた。
大滝神社は推古天皇の御代の創建、中世には白山信仰の拠点として48坊、社僧700名を数えたという。
紙祖神の岡太大神を祀る岡太神社はさらに古く雄略天皇の御代の創建。
写真は境内と神門ダウン
なお神門、廻廊、奏楽殿は平成4年に整えられた。
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拝殿・本殿が一体化となった複合社殿は重文指定されている。
複雑な屋根は美しいが、見ていると怖くなってくるような建物である。
江戸時代後期の社殿建築の粋を集めて1843年に建築された。ダウン
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境内の一角にある質素な建物に近づくと、観音堂であったダウン
平安時代後期作と伝わる十一面観音像が安置されていた。
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建物はこじんまりしたものばかりだが、境内全体に幽玄の気が漲っており、歴史の重みをひしひしと感じた。
 
これで味真野地区の寺社巡りは終わるが、機会を見てもう一度ゆっくりと観て回りたいと思いながら後にする。
この日の締めくくりとして、次は武生駅周辺の寺社巡りとなる。