神戸の義母宅からの帰り、京都に途中下車した。
ここ数年、この季節に京都の紅葉見物に出かけてきたが、今年は思うところがあって止めることにしていた。
しかし折角、神戸まで来ているので、京都の紅葉の香りだけでも嗅いで帰ろうということになった次第。
 
京都駅に着いて、一日市バス券500円を購入。
女房殿の希望で東福寺を訪ねようと思い立ち、駅前でバスに並んでいると、見知らぬ老人が紅葉は東福寺より泉涌寺の方が良いと盛んに言っている。
素直な我々二人であるので急遽変更して、泉涌寺に行くことにした。
 
考えてみると泉涌寺には一度行ったきりで、しばらく行っていない。
この日は時間もあるので、塔頭を含めてゆっくり訪ね回ることにした。
京都では有名な寺院であるがなかなか行く機会が少ないので、簡単に説明する。
 
泉涌寺は皇室の菩提寺であり、「御寺泉涌寺」と呼ばれる。
境内には歴代天皇など25陵、5灰塚、9墓がある。
真言宗泉涌寺派の総本山、山号は東山または泉山。
平安時代に弘法大師の草創と伝わるが、開基は鎌倉時代の月輪大師俊芿。
当初は法輪寺、次いで仙遊寺となり、1226年伽藍が整った時、境内から清水が湧き出たので泉涌寺と改称された。泉は今も涌いている。
東山三十六峰の南端、月輪山の山麓に境内は広がっている。
バス停泉涌寺口に下車してゆるやかな坂道を登ってゆくと総門に至る
 イメージ 1総門から長く深い樹木に囲まれている参道を進む。
 
 
大門は慶長年間築の御所の門を移築したもの。
重文指定。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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大門を入ると左手に楊貴妃観音堂(写真)があり、内部には楊貴妃観音像(重文)を安置。
玄宗皇帝が亡き楊貴妃を偲び香木で聖観音像を彫った。1255年に中国に渡った湛海がその像を持ち帰り安置したと伝わる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
正面にはゆったりとした重文指定の仏殿が建っているダウン
1668年の再建。
二層にみえるが、一重裳腰付き入母屋造り。
内部は禅寺風に土間造り。
本尊は運慶作の「三世三尊仏」。
天井には狩野探幽作の蟠龍図が描かれているが、暗くて定かではなかった。
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そのすぐ後ろにやはり美しい造りの舎利殿が建っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
中門を入ると御座所、霊明殿があり、見学できる。
御座所は安政年間の建立。
車寄せは唐門風、玉座もある。
御座所に続く海会堂は仏殿で土蔵造り。
 
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写真は本坊玄関
この景色を眺めながら蕎麦を食べる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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御座所の庭園は紅葉が素晴らしかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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霊明殿は1881年の再建。
唐門共に桧皮葺。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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そのすぐ後ろに歴代天皇陵などの月輪陵が広がっている。
奥には開山堂もあるが、入れない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
また境内には経蔵、浴室、泉涌水、清少納言歌碑などもある。