奈良の旅も三日目、最終日となる。
この日もジャンボタクシーを貸し切り9時より寺社巡りにスタート。
当初は長弓寺を予定していたが、般若寺のコスモスが満開とのことなので、急遽般若寺に変更する。
般若寺にも4年ばかり前に訪ねたことがあり、コスモスに埋め尽くされた境内に感動したためでもある。
 
般若寺は735年、聖武天皇が平城京の鬼門を護るために「大般若経」を基壇に納め塔を建てられたのが寺名の起りとされる。
学問寺として隆盛したが、平家の南都攻めに合い伽藍は焼失した。
鎌倉時代になって十三重石塔を始め七堂伽藍が再建された。
 
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この寺のシンボルの十三重石塔(写真)は、コスモスの花に取り巻かれてスックと立っている。
現在のものは1253年造で、高さは14,2m、重文指定。
 
 
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境内はまさにコンモスの花に埋め尽くされていた。
写真の本堂(重文)は1667年の再建。
宗派は真言律宗、山号は法性山。
本尊は丈六の文殊菩薩で鎌倉期の作、重文指定。
 
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片隅には質素な一切経蔵が建っている。(写真)
鎌倉時代築で重文。
元弘の変の時、護良親王がここの唐櫃に隠れて難を逃れた逸話が残る。
 
 
 
 
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その並びに笠塔婆(重文)が二つ立っている。
鎌倉時代1261年作で、高さは4,8mあり、日本最古最大の笠塔婆である。(写真)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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また境内には三十三観音石像が本堂の周りに点在している。
1703年造で、やはりコスモスの花に埋もれている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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うっかりすると見逃してしまうのが楼門である。(写真)
鎌倉時代に再興された回廊門、和様に天竺様式を取り入れて、屋根の反りも軽快。
質素な造りながら国宝指定。
 
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写真は楼門から境内を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちょうど宝蔵堂で特別拝観をしていた。
内部は物置のように雑然としている。
その中で秘仏阿弥陀如来像がひときわ目を惹く。
白鳳時代作であり、十三重石塔の納入穴から発見された。
高さは40,9cmと小さいが丁寧な仕上げで、重文指定。
さらにこの阿弥陀仏の台座に納入されていた胎内物三尊像(重文)は極めて小さいが、鎌倉時代作で実に精巧にできている。
今はこの極小三尊像に人気が集まっているという。
他には赤地蓮池水錦禽蜻蛉文倭錦打敷(重文)なども展示されていた。