奈良の旅二日目の19日は、ジャンボタクシーを借り切っての明日香の史跡・寺社探訪である。
明日香にはまだ30代初めの頃、石舞台を訪ねて以来になる。
今回は貸し切りということもあり、自由にコースを設定することができた。
奈良近鉄タクシーに乗るが、予約の時に運転手さんは歴史・地理に詳しい人と注文をつけておいた。
タクシーに乗る旅では、運転手さんによって旅の楽しさは天と地の開きがあることを、身に沁みて知っているが所以である。
お蔭さまでその博識といい、人柄といい申し分ない運転手さんであり、お蔭で二日間実に楽しい旅をすることができた。
日浦さん、本当にありがとうございました。

ホテルを9時にスタート。
車は明日香にと走るが、途中で運転手さんの説明を聞いて急遽、箸墓古墳に立ち寄ることにした。
最近のニュースでは、これは卑弥呼の墓であり、これで邪馬台国近畿論が有力になったとされる。

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2009年5月、箸墓古墳から出土した土器などの科学的分析をした結果、240年~260年製造と推定されるとの発表があった。
卑弥呼の死亡は248年とされているので、卑弥呼の墓との可能性がにわかに高くなった。
写真は箸墓古墳の一番眺めが良いところ。

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車は桜井市から明日香に入り、まずは飛鳥資料館に到着。
明日香見学の最初に、明日香の全体像を把握するためである。
近代的な建物であり、実に判り易く解説、展示されていた。
写真は資料館前の庭、石は須弥山石の複製。

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入ったところに飛鳥地区の明日香浄御原宮を中心とした模型があり、往時の宮城、寺院の伽藍などの配置が良くわかる。(写真)

ここは奈良文化財研究所の展示館である。
出土品、石造物のほか、発掘調査に基づいて石室や山田寺の復元などが展示されていた。
主な展示物は飛鳥寺塔心礎の埋納物、旧山田寺の仏頭、川原寺の復元模型、高松塚古墳の出土品、山田寺東回廊の再現などである。
石人像、須弥山石などには、小さな穴が開いており噴水であったという。

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山田寺は641年に建設され、その後すべて失われたが1982年の発掘調査により、東回廊の木材がそのまま発見された。
木材の保存処理をして再現されたものであるが、こんな古い時代の木材がこうして現代に蘇って眼前にあることに驚く。(写真)

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続いては甘樫丘を訪ねる。
飛鳥の中心部の水田の中にある標高148mの山。
一度は登って見たいと念願していた丘であるが、甘樫丘展望台までは結構な坂道であった。
眼下に明日香村、大和三山など飛鳥一円が眺望できる。
写真は畝傍山周辺の風景

また丘の麓には蘇我蝦夷・入鹿親子の邸宅があったといわれる。
一帯は国営飛鳥歴史公園でもあり、この甘樫丘地区と石舞台築地区、祝戸地区、高松塚地区、キトラ古墳地区の5地区からなる。

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水落遺跡は中大兄皇子が660年に造った日本初の水時計台跡。(写真)
1981年に発掘された。
現在も周辺を発掘中であった。