興福寺はいままで何度も訪ねているが、今回は特別公開中の五重塔を中心にして、東金堂、国宝館などを拝観することにした。

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五重塔(国宝)は730年に建立されたが、何度も焼失しており現在は六代目に当り、1426年に再建されたもの。(写真)
高さは50,1mで東寺に次ぐ二番目の高さで、奈良のシンボルの一つでもある。
初層内には心柱の四方に薬師三尊像、釈迦三尊像、阿弥陀三尊像、弥勒三尊像の12体が安置されていた。

興福寺は京都山科の藤原鎌足私邸に建立された山階寺が前身で、飛鳥を経て平城遷都と共
に現在地に移った。
その後、藤原氏の氏寺として興隆してきた。

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国宝指定の東金堂(写真)は1415年の再建であり、薬師如来像、日光・月光菩薩像(以上重文)、十二神将像、四天王像、文殊菩薩像、維摩居士座像(以上国宝)などがずらりと並び曼荼羅の世界が広がる。
また東金堂後堂が特別開帳され、正了知大将像が安置されていた。

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本年、創建1300年を迎えた興福寺では10年前から整備事業がすすめられ、その中核となる中金堂の立柱式が数日前に行われたというニュースを見た。
周りには囲いがしてあり近づけないが、その立柱の様子が見て取れた。(写真)

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国宝館には寺宝がびっしりと並ぶ。山田寺の仏頭、阿修羅像ほかの八部衆立像、十大弟子立像、天燈鬼、龍燈鬼立像、板彫十二神将、千手観音(すべて国宝)などなど、余りの豪華さに我を失うほどである。
特に阿修羅像は人気が高く、大勢の人が取り巻いていた。
写真は入場券。

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南円堂(重文)は八角円堂で江戸時代1741年の再建、今回は公開されていなかった。
内には不空羂索観音坐像、法相六祖座像、四天王立像(国宝)などが安置されている。
写真は南円堂と中門・回廊の基壇礎石。

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三重塔は少し離れた場所に立っており、うっかりすると見逃してしまう。(写真)
鎌倉初期の再建で興福寺では最古の建物であり、国宝指定されている。
なお宗派は法相宗の総本山で、山号はない。

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さらに石段を降りたところには猿沢池が広がる。
この池に映る五重塔の眺めは一幅の絵である。(写真)
この景色は我々にとっては修学旅行の思い出と重なり、見こうして見るのはその時以来だという仲間もいた。

続いては元興寺に。