この日訪ねる予定の最後である雲峰寺(うんぽうじ)を目指す。
タクシーは青梅街道を走り、坂道を登って行く。

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臨済宗妙心寺派、裂石山、745年に行基が開基。
タクシーが止まったところは、深い樹木の中にある198段の石段の入り口。(写真)
これしきの石段は軽いと思って登り始めるが、この石段が不規則で手前に傾いており、その上苔むしていて登りにくいことこの上ない。
途中には石仏があると聞いていたが、足元ばかりに気を取られて周囲を見る余裕は無かった。

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ようやく石段を登りつめたところに仁王門がある。(少しピンボケの写真)
一戸三間の八脚門で、単層屋根入母屋造り茅葺で、仁王像が安置されている。
室町末期の様式を今に伝え、重文指定。

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境内は標高800mとのこと。真夏でもかなり涼しいことであろう。
重文指定の本堂は正面12m、側面11mの単層入母屋造り。(写真)
四方に縁を廻らしており向拝付き、屋根は桧皮葺で重文指定。
なお本堂は1558年頃に再建されたと推定されている。

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本堂の右隣に建つ重文指定の庫裏は単層屋根切妻造りの茅葺。(写真)
江戸初期の再建で、屋根の曲線、妻壁が美しい。
屋根裏部屋は「影武者」のロケに使用されたとのこと。

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本堂裏に位置する書院には入れない。
住職にお願いするも、一般公開はしていないとのこと。
写真は本堂の縁側から写したもの。
1716年築の単層寄棟造の茅葺で、重文指定されている。

300円を払い宝物殿に入る。
日本最古の日の丸、風林火山の旗(孫子の旗)などを拝観。
勝頼が天目山で滅びたあと、家臣が再興を期してこの日の丸と旗を当寺に納めたとのこと。

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大菩薩峠の入り口バス停近くから雲峰寺の参道が始まっている。
この参道の入り口の近くに山門がポツンと立っており、随分と離れたところにあることに驚く。総門なのであろうか。(写真)

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まだ少し時間があるので、近くにある裂石を見に行く。
この地区の裂石村の地名の由来にもなっている。
高台にその裂石はあった。(写真)

745年に紫雲がたなびき地震が起こり、そのため二つに裂けた大石の間から萩の大木が出現したという。
巡察中の行基が発見し、その萩の木から観音像を三体彫り、一体を安置して雲峰寺を建立したと伝わる。

塩山駅に着いたのは17時前5分。
運転手さんの紹介により、北口にある居酒屋に入る。
なかなか清潔なお店であり、女性二人で経営されている様子。
焼酎を飲みながら地元家庭料理に舌鼓をうち、楽しい反省会となった。
19時過ぎの特急に乗り帰宅。
予想を越える大満足の塩山地区の寺社探訪であった。