塩山駅に向かう途中、標高554mばかりの「塩の山」の麓に向嶽寺がある。
平地にポツンと立っていることから「四方から見える山」から「四方山」、これが塩山に変化したという。
古今和歌集に「志ほの山 差出の磯にすむ千鳥、君が御代をば 八千代とぞなく」とあり、その後多くの歌人に塩ノ山と差出の磯(山梨市)は桃源郷のように思われて、引用されてきたという。

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写真は外門。


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外門から100mの参道があり中門に至る。(写真)
中門は室町時代中期築で、禅宗様式、四脚門桧皮葺で重文指定。
築地塀(塩築地)が続くが、小石を混ぜた土に強度を増すため塩を入れたと伝わり、塩築地と呼ばれる。

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三年前、恵林寺から歩いて駅に向かう途中に立ち寄り、思いがけず良い寺院に出会ったと感激したことを思い出す。
境内は広く池が配されて屋根の付いた橋があり、一服の絵になる風景。(写真)
この寺には「八方睨みの達磨図(国宝)」、着色絹本像二点(重文)があるが、博物館に預けてあるらしい。

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仏殿は開山堂を兼ねており、1787年の再建。(写真)
臨済宗向嶽寺派大本山で、山号は塩山、1378年の創建か。
富嶽(富士山)に向かうという意味で名付けられたという。
他に庫裏、方丈前門、方丈、書院、秋葉神社など

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名勝庭園は池泉鑑賞式庭園とのことなので、拝観したいと思うが受付もなく、人気が全く感じられない。
しばらく境内をウロウロしていると、ようやく若い雲水と出会う。
拝観をお願いするも、一般公開は一切しないとのことなので諦める。
写真は境内の一角にある秋葉神社社殿

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車は再び中央線の踏切を渡り、市役所の近くにあるこんもりとした森のような境内に到着。
菅田天神社である。
祭神は素盞鳴尊、五男三女神、菅原道真
写真は随身門。

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842年に仁明天皇の勅命により創建、1004年に一条天皇の勅命により道真を相殿に祀る。
甲州源氏の鎮守。
鳥居、随身門、社殿(写真)などすべて朱色。

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拝殿前の石灯篭は1409年に武田氏が奉納。(写真)
また宝物殿には「小桜韋威鎧」(国宝)が収められているとのこと。