中央線の踏切を越えて、緩やかな山合いの道を登って行く。
まもなく大井俣窪八幡神社の境内に到着。
長い社名だが、通称は窪八幡。

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木造両部鳥居としては日本最古という鳥居は神門前から200mのところにポツンと立っている。(写真)
1535年造で重文指定されている。
厳島神社、春日大社と共に三大両部鳥居とのこと。

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859年に清和天皇の勅願により、宇佐神宮の八幡三神を勧請というこれも古社。
武田源氏の守護神。
祭神は誉田別尊、足仲彦尊、息長足姫尊。
神門は1511年の建立で 四脚門、桧皮葺で重文指定。(写真)

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神門前の石橋は一枚岩の反り橋。(写真)
1535年築で重文指定されている。


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神門を入るとすぐ左手には池が広がり、その中に末社比咩三神本殿(重文・一間社流造)がある。
宗像三神を祀るが、小さい祠であり、余り古さは感じない。(写真)


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こんな場所にこんな文化財の宝庫のような神社が現存していることが不思議でもある。
しかし熊野神社もそうであったが、人っ子一人として見当たらないのは何とも不思議である。
横長の拝殿は間口十一間もあり、なかなか写真に収まりきらず苦労する。(写真)
1534年再建の長床式で重文指定、軒に架けられた鰐口も重文。

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重文指定の本殿は1410年築の十一間社流造の横長の建物で日本最大の流造という。(写真)
金箔など見事な色彩などが施されていた様子が覗えるが、風雪によりかなり剥げているのが残念。


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写真は本殿の金箔の様子をアップで撮ったもの。


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拝殿の左には高良社があり、これも1500年築という重文。(写真)
祭神は藤大臣連保。
さらにその後ろに武内宿禰を祀る武内社があり、1500年築でこれまた重文指定。

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さらに拝殿の右に連なるように摂社若宮拝殿が立っている。
1536年築の重文。
若宮拝殿の後ろには重文若宮本殿があり、1400年築とされ当神社では最古の建物。
写真は若宮拝殿と奥に本殿。

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社殿後方の杉林の中には石造りの如法教塔(1532年)がある。
経文を埋納して建てた塔のこと。(写真)
鐘楼(1553年、桧皮葺)と共に神仏習合時代を偲ばせる遺構である。

周辺には別当上之坊跡地、坊・社家の神仏習合の名残もあるという。
人知れずびっしり並ぶ文化財の建物を目の前にして、感嘆しながらも半ば呆然とした気持ちになる。
よくこれだけの文化財が残ったものである。
それだけに保存方法を根本的に考えてほしいことを切望する。