猛暑が続く中ではあるが31日、水戸線沿線の寺社巡りに出かけた。
この辺りには2~3度訪ねているが、まだ行き漏れている寺社を探しての旅である。
湘南新宿ラインに乗り小山駅に、水戸線に乗り換えて笠間駅に下車。
笠間には20年位前に女房殿と訪ねて以来となる。

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取りあえず一番遠い場所にある楞厳寺(りょうごんじ)を訪ねるためにタクシーに乗る。
笠間市の北東に位置し、仏頂山の麓にある。
どういう訳か山門のみが離れて、周囲が田園風景の真っ只中に立っている。
室町中期の建築で重文指定。
切妻造り茅葺の四脚門、周囲の田畑の緑の中にすっくと立ち、周囲との調和も良く素晴らしい眺めである。

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車はほどなく境内に到着。
深い樹木の中を苔むした石段が続き、私好みの典型的な山寺の佇まいが良い。(写真)
上り詰めたところに質素な造りの中門がある。

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まずびっくりしたのは目の前に、崩れかかった大きな建物が建っていることである。(写真)
元の本堂だったのであろうか。
それにしても崩れるままに放ってあるのはなぜだろう。
庫裏があるが、境内のどこにも人の気配が全く感じられない不思議な世界である。

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その奥に本堂が建っている。
臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は仏頂山。
開山は宋の千岩、開基は大拙。
笠間氏歴代の祈願所であった。

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本尊は十一面千手観音像、1252年造で重文指定されているが、別棟の宝物殿に納められている。
また「笠間庭園」と呼ばれる庭が広がる。
渡り廊下越しに池が廻らされ、自然のままの草花が美しい。
また裏山一帯に生息するヒメハルゼミの北限発生地でもある。