今回の旅の事前調査では、他に永光寺と豊財院に行きたいと思ったが、タクシーの利用以外には時間的に無理だと判明。それもかなりの高額となりそうなので一端は断念していた。

しかし実は妙成寺に来る時に乗ったタクシーの国田さんと折衝して、7000円でOKとの約束ができた。
そのため午後2時に羽咋駅で待ち合わせすることにしていたが、気多大社を少し早目に終えることができたので、国田さんに電話をして大社前まで迎えに来てもらうことにした。

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タクシーに乗ると国田さんが折角のご縁なので、めったに観れない景色の良い場所にご案内しましょうとのこと。
細い坂道を塞ぐように草が茂る道を、どんどんと登って行く。
着いたのは山の中腹で、眼下に邑知潟が一望できる絶景のビューポイントである。(写真)
この辺り一帯すべて潟であったとの歴史を学ぶ。

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続いて訪ねた永光寺(ようこうじ)は曹洞宗発展の極めて重要な地位を占める古刹であり、よくぞ訪ね来たことと感謝する。
長い長い参道は途中から樹木に覆われ、またまた紫陽花などが目を和ませてくれる。
途中に城郭のような中道門があり、いよいよ境内に足を踏み入れた感あり。(写真)

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さらに苔むした石畳を登ってゆくと、池を廻らした弁天堂がある。(写真)
なお山号は洞谷山。


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さらに急勾配の石段を登ると山門に至る。(写真)
いかにも禅寺らしい凛とした空気が嬉しい。


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堂々たる山門は檜材を用いた白木造りで1866年の建立。
当寺は1312年に大本山総持寺の開祖瑩山(けいざん)禅師が開創。
1321年には後醍醐天皇より「曹洞宗出世道場」の綸旨を賜り、勅願寺となる。

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正面の法堂(本堂)を中心に前庭を囲むように左右に書院・方丈、僧堂・鐘楼、庫裏が立ち並び、それぞれが廻廊で繋がっている。
本尊、脇侍共に鎌倉後期から南北朝期の作。

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その前庭には「オオサンショウウオ」が生息するという池があるが、目を凝らして見るも水が濁っていて定かではない。(写真)


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磨き抜かれて塵一つ落ちていない廻廊を登って行くと、法堂に至り、さらに本堂の裏には伝燈院がある。
曹洞宗の法燈を伝える五大祖師を中心に開山四哲像を祀る他に比類のない開山堂である。
1630年頃の建立で当寺では一番古い。
背後の山上には霊場五老峯があり、道元ほかの五祖の遺品が埋葬されているという。
写真は回廊の隙間からカメラで写した伝燈院。