金沢の旅、二日目の5日は能登羽咋に出かけた。
気多大社と妙成寺を訪ねたいと思ったからである。
金沢駅から七尾線に乗り約一時間で羽咋駅に到着。

羽咋といえば何故か松本清張の「ゼロの焦点」を思い出す。
勿論、今回が生まれて初めて足を踏み入れた土地であり、知らない土地を訪ねたあのワクワク感で胸が一杯になる。

バスはあるがその発車まで一時間あり、いろいろ考えた末にタクシーに乗り妙成寺に向かう。
この運転手さん、名前は国田さんが地元の歴史に詳しくまた博識であるのに感心する。

イメージ 1
妙成寺(みょうじょうじ)は北陸における日蓮宗の本山である。
山号は金栄山、1294年に日像聖人が開山した。
重要文化財10棟を数える名刹でもある。
よくぞここまで訪ねてきたし、またそれだけの価値があったことに感謝、感謝。
写真は入り口からの眺め。

イメージ 2
受付を済ませてまず浄行堂に。
本来ならばここの水で、煩悩の汚泥を取り除くことから始める。
やはり名刹いうこともあり、珍しくかなりの観光客が見えていた。
写真の後方の茅葺が浄行堂。

イメージ 3
豪壮な二王門(写真、重文)は1625年の建立。
単層三間一戸楼門で阿形、吽形が安置されていた。


イメージ 4
鐘楼は1625年の建立、純和様式で袴腰鐘楼である。(写真)


イメージ 5
二王門を入ると左手の高台に開山堂と経堂(重文)が並んで建っている。
開山堂は1677年の建立で、内部には石造笠塔婆七基を安置。
経堂は1670年に建立で、桃山時代の作風を色濃く残しており、また屋根の反りも美しい。

イメージ 6
眼の前に重文指定の五重塔が聳える。(写真)
高さ34,18m、1618年の建立。
北陸唯一の木造五重塔で、栃葺の屋根は珍しい。
多彩な彫刻が施されている。

塔の後ろには大槻伝蔵の墓、さらには寿福院の墓、浩妙院の墓が並ぶ。
前田家と日蓮宗とどういう関係かなと思うが、実はすべて寿福院の法華信仰による。
寿福院は、前田家三代利常の生母であり、母の菩提寺として本堂、祖師堂、五重塔など七堂伽藍を寄進したという。

イメージ 7
境内の一番奥に丈六堂といわれる釈迦堂が建っている。(写真)
1686年の建立で、中には丈六の釈迦牟尼仏が奉安されていた。
重層入母屋造りで、こけら葺。