久方ぶりに、いつもの四人組で都内の寺社巡りに出かけた。
4月に若狭、丹後に二泊三日で寺社巡りをして以来の顔合わせである。
旅から帰ってすぐに仲間のKさんが手術入院されていたこともあり、その回復祝いを兼ねての寺社めぐりとなった。

とはいえ、Kさんがまだ病み上がりということも考慮して、今回はKさんの自宅近くの自由が丘近辺にすることとした。
待ち合わせは15時、東急大井町線九品仏駅にある浄真寺の仁王門前。

91浄真寺
宗派  浄土宗
山号  九品山
創建  1678年  珂碩上人が開基
本尊  釈迦牟尼如来
住所  奥沢7-41-3

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浄真寺は通称九品仏と呼ばれているが、ここの参道(写真)は都内でも一、二を争う素晴らしいものである。
長さは100mにも及び、両側には大木が連なっている。

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ほどなく総門に至る(写真)。
境内の広さは12万㎡という広大さであり、元奥沢城の跡地でもあるため、周囲の土手は土塁として一部残っている。

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大きな仁王門(写真)が聳え、高さは30mと言われている。
1793年の建立で仁王像のほか風神、雷神像があり、さらにこの紫雲楼の楼上には二十五菩薩が収められており、この門より内は浄土となる。

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楼門を入るとすぐ左手に鐘楼があるが、その屋根の反りは優美である。
1708年に建てられ、四周には十二支が刻まれている。
参道、総門、閻魔堂、仁王門、鐘楼、開山堂、本堂、三仏堂、書院、食堂などいわゆる七堂伽藍がほぼそろった見事な配置である。

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本堂は銅版葺きであるが、三仏堂と共に1698年に建てられ、近年に大修築された。
この本堂を此岸とし、対して三仏堂を彼岸に見立てている。
「お面かぶり」の仏教行事は三年毎に行われるが、二十五菩薩の「来迎開」である。
本堂庭園(写真)は最近整備されて、四季それぞれに美しい姿を見せてくれる。
また「鷺草」が自生していることで知られるが、今でも八月上旬になるとわずかだが、この庭園の池で見られる。
白鷺が飛ぶ姿に似ており、可憐かつ優美である。

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しかしなんといっても、一番の見どころは三仏堂であろう。
上品堂、中品堂、下品堂と阿弥陀堂が三棟並び、さらにそれぞれ阿弥陀如来像(重文)が三体づつ収められている。
写真は上品堂。

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この九体の阿弥陀如来像は、開山珂碩上人が彫られたものである。
こうした造りは京都山城の浄瑠璃寺が有名であるが、この浄真寺の阿弥陀堂は三棟に別れており、なおかつ大きい。
写真は下品堂より三堂を望む。

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さらに楼門前の右手に鉄筋造の開山堂があり、さらに開山堂の左手の樹木の中に三十三観音堂が建つ(写真)。
境内には古木が多く、樹齢800年のカヤのほか、トチ、高野マキ、イチョウ、菩提樹などが聳え、昔ながらの武蔵野の面影を残す貴重な森である。
ここには何度訪ねてきても、その都度新たな発見があり、また訪ねたくなるという貴重な場所である。