加賀温泉での「いとこ会」の帰り、金沢駅に途中下車して、一人で市内の寺社廻りをしてきた。
金沢駅のコインロッカーに荷物を預け、約4時間半の滞在である。
金沢にはいままで何度も訪れているが、寺社廻りは寺町周辺のみであった。
今回は大乗寺、天徳院、尾崎神社、尾山神社をたずね、東茶屋街から卯辰山山麓の寺院廻りを計画した。
なおこの日の道程は25000歩でやや疲れた。

イメージ 1
まず遠くの寺院廻りからしようとタクシーで大乗寺に。
金沢の南の町外れ、野田山の一角にあり、境内は2万坪と広大。
大木が立ち並ぶ参道からして古刹の風格が漂う。
写真は緑に囲まれた美しい参道。

イメージ 2
参道の先に黒っぽい総門が建っていた。
バックの紅葉がうまく写真に入らなくて残念。
修行道場としての厳粛さを今に残す名刹である。

イメージ 3
総門を入ると参道は右に折れ、さらに左に折れる。
一面の緑の中、赤い山門(写真)は仁王像を配し、物音ひとつしない静寂のなか、どっしりと建っていた。

イメージ 4
山号は東香山、曹洞宗の寺院、1289年の開山で江戸時代に現在地に移転。
ここも典型的な七堂伽藍が整然と配置された禅宗様式である。
山門を入ると正面に「大雄殿」の額が架かる仏殿(写真)が建つ。
1702の建立で重文指定されている。
ここから左右に回廊が伸びて、左には東司、僧堂が、右には浴室、庫院が対称で並ぶ。

イメージ 5
仏殿のまた奥、正面に法堂(写真)がある。
1697年ごろ前田藩老本多氏により建立。
また大乗寺二代螢山紹謹瑾禅師は永平寺、総持寺とも関係が深く、太祖と呼ばれている。

イメージ 6
境内は紅葉が初まったばかりであるが、法堂の右に建つ庫院前の紅葉は見事であった(写真)。
過日の永平寺とは違って、境内で出会った人は夫婦連れの一組みだけ。
やはり寺社めぐりはこの静寂さが最高であり、至福これに極まる。

後日談
8日は「いとこ会」の会食のため、大河ドラマ「天地人」を見逃した。
金沢から帰って14日に再放送を見た。
すると兼続の娘婿の本多勝吉が、娘と死別したあと、米沢を去り、加賀前田藩の家老としてその地で子孫を繁栄させたとあった。
まさにこの日見た大乗寺こそ、彼が庇護し発展させた寺院である。
こういう偶然の出会いというか、ご縁があるから旅は楽しいし止められない。