永平寺にはいままで何度も訪ねたことがある。
今更、言うまでもなく曹洞宗の大本山で、全国に15000の末寺を持つ修行道場である。
40年位前に訪ねた時は身が引き締まる思いをしたものである。
しかし最近はすっかり観光地化しており、正直言って寺院としてはあまり好きな方ではない。
と言っても全国に散らばる曹洞宗の寺院は、その佇まいが気にいった好きな寺院が多いことも事実である。
永平寺は余りにも有名であるため、ここでは説明はなしで今回の感想のみ。

イメージ 1
美しい紅葉が出迎えてくれた。
写真は入り口。


イメージ 2
写真は写経を納める報恩塔と伽藍。
1996年の建立。


イメージ 3
受付を通り、案内に従って堂宇を一回りする。
ここでもタクシーの運転手の先導で、説明を聞きながら回る。
写真は内部の回廊から中雀門、山門を写す。
一応、七堂伽藍を見て回るが、案内道順通りに回るだけであり、たとえば山門を外から見れなかったのは残念だし、物足りなさが残る。

イメージ 4
永平寺については今回もあまり興をそそられなかった。
写真は法堂と紅葉。


イメージ 5
秋の夕暮れは早く、四時過ぎというのに辺りはかなり暗くなってきた。
タクシーは山道を走ってゆく。
突然、運転手さんよりちょつと寄って行きましょうと、連れて行かれたところは重文指定の坪川家「千古の家」である。
家の少し先にある畑にいらした方をわざわざ呼び戻して、中を案内して頂く。
写真は高台からみた里山に溶け込んだ「千古の家」。

イメージ 6
なんといってもその変わった造りの茅葺屋根の武家屋敷に圧倒される(写真)。
正面は入母屋造り、背面は寄棟造り、茅葺屋根の破風角屋が面白いが重量感がある。
建てられたのは中世末期(室町時代~江戸初期)、坪川家の先祖は北面の武士の末裔とのこと。
案内して頂いた当主の中年の女性も高い気位と気品をもった方であった。

こうして、ようやくホテルに着いたのは17時半近くであった。
越前国北部の観光地を七時間半かけて廻っていたことになる。
極めて充実した一日であったと、全員が大満足。
この日も美味しいお酒でぐっすり眠る。