「いとこ会」の二日目、四人で観光タクシーを貸し切り、越前の観光地を訪ねることにした。
コースとしては東尋坊~瀧谷寺~丸岡城~永平寺~朝倉氏庭園跡を予定していた。
ところがこの日のタクシーの運転手は、越前の史跡に詳しく、頼まないところまで回って頂き、お陰で誠に充実した観光地廻りを楽しむことができた。
ただ途切れのないおしゃべりには少し疲れたが。
10時に片山津温泉のホテルをスタート。

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まずは篠原古戦場跡に案内される。
木曽義仲と戦って敗れた平家の武士、斎藤別当実盛は年を隠すため黒髪に染めていたが、打ち取られた首をこの池で洗うと白髪であり、また義仲の恩人の実盛だったという「源平盛衰記」の話は有名である。
それがこの地のこの首洗い池だったのだ(写真)。

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なお後年、芭蕉が訪れて
「むざんやな 兜の下の きりぎりす」の名句を詠んだことでさらにその逸話が広く知られることとなった。
写真は句碑と後方に逸話の像が建てられている。

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続いては尼御前岬に立ち寄る。
美しい国定公園に指定されている加賀海岸線が一望される(写真)。


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奥州を目指して下る義経主従の中に尼御前がいたが、これから先の足手まといになることを思い、ここから身を投げたとの話。
これも昔聞いた記憶がかすかにある。
写真は尼御前像だが、結構な近代的美人である。

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さらに北前船の里である橋立港に立ち寄る。
ここには船主、船乗りなど多くの人が住み、大変な繁栄ぶりだったという。
天然の良港で、四方を山で囲まれており(写真)、今でも有数の漁港として賑わう。

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続いては吉崎御坊に案内される。
実はここには数年前に来た折、じっくりと訪ね廻ったところである。
京から逃れてきた蓮如が、北陸の布教拠点としたところであり、浄土真宗教徒のメッカとも言える。
現在は東本願寺、西本願寺が共に並んで建っている。
写真は1747年再建の東本願寺吉崎別院本堂。

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この別院横の石段を登ってゆくと小高い丘の上が広場になっている。
ここが吉崎御坊跡地である。
今は高村光雲作の蓮如像が、松林の中に立っているのみだが(写真)、往時は蓮如を慕っての坊舎、宿坊が立ち並んでいたという。
ここからの眺めもなかなか良い。