イメージ 1
一宮駅まで来たのは、尾張国一之宮の真清田(ますみだ)神社を訪ねるためである。
駅から北東に向かって、ビル街を15分位歩いてゆくと真清田神社に到着。
創建は定かではないが、太古より木曽川の清く澄んだ水田地帯ということで名付けられたという。
写真は鳥居前の広場

イメージ 2
今はお飾りになっている石橋がありその先には、昭和36年再建された楼門が建っている(写真)。
歴代尾張藩主の篤い信仰のもと社殿を整えてきたが、昭和20年の空襲でほとんどを焼失してしまった。


イメージ 3
かなり広い境内だが、樹木はほとんどなく、多くの建物が整然と並んでいるのみ。
縦長の拝殿、本殿は昭和32年の再建と新しく、尾張造(写真)。
境内の社殿はほとんどが昭和30年代に再建され、そのため統一された建造物が並び美しくまたバランスは良いが、情緒に乏しくガッカリ。
もっとも時が経つと共に趣も増してくるのであろうが。

鳥居前から、立派なアーケードが続く元町商店街は道幅もあり、これが駅近くまで続いているのにびっくり。
雨降りのせいもありこのアーケードは助かったし、また歩いていて結構楽しかった。

一宮駅からJR東海道線で、稲沢駅に。
午前中に訪ねた国府宮や性海寺も、実は稲沢市である。
稲沢市は律令時代、国衙が置かれたところであり、いまでも国分寺その他、見るべき文化財が結構多い土地である。
今回はまさに点でもって寺社を訪ねているが、本来ならば稲沢市だけに絞って一日がかりで廻るべきであろう。
とはいえこの日は生憎の雨、傘を差してブラブラ歩きながら万徳寺を訪ねた。

イメージ 4
万徳寺は山号を長沼山、真言宗豊山派の寺院で、創建は768年の古刹。
山門は実に質素であり(写真)、「常法談林所」の看板が架かっている。


イメージ 5
その入り口右に小高い丘に石碑がたくさんたっていた(写真)。
関東でいう富士塚のようで、他でも見ることができた。
帰ってから調べると、ある人は御嶽山信仰の御嶽塚だと書かれていたが。

イメージ 6
正面に木造本堂(写真)、その右に客殿、庫裏などが続いている。
呼び鈴を押したが、どなたも出て見えず残念であった。
創建は768年に慈眼上人と古い。

イメージ 7
本堂の左手に見映えの良い多宝塔が建っている(写真)。
桧皮葺の高さ13mの塔で、内部には大日如来が安置されているという。
重文指定。

イメージ 8
さらに多宝塔の右に小さな、しかし見ごたえのある鎮守堂(写真)が建っている。
室町時代の建立で、桧皮葺一間社流造で重文指定。
見れば見るほど細部まで精巧に造られており、よく今まで残ったものだと感心する。

また稲沢駅まで歩いて戻り、JR東海道線に乗り次の清州駅で下車。