宝塚駅から阪急宝塚線に乗り、川西能瀬口駅で能瀬電鉄に乗り換えて、多田駅に下車。
大阪・堺に若い頃9年住んでいたが、ここ摂津辺りにはほとんど足を踏み入れたことがない。

二日前に安土の沙沙貴神社を訪ねて、佐佐木源氏発祥の地であることを知った。
ならば今度は多田源氏発祥の地である多田神社を訪ねてみたいと思ったのである。

こじんまりした駅を出ると、多田神社参道の石柱が立っている。
昔懐かしい民家の並ぶ道を真っ直ぐ西に15分ばかり歩いてゆく。
多田神社は970年源満仲により建立された。
明治になるまでは、多田院法華三昧寺という寺院であった。
清和源氏の祖満仲の廟所でもあり、源氏発祥の地として各幕府の篤い保護を受けてきた。
現在の建物は江戸時代四代将軍徳川家綱のときに再建されたもの。

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城郭のような石組が見え、まず東門から入る(写真)。
切妻造りの高麗門。
1667年の建立。

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ここからの参道は楓の緑に染まりながら歩いてゆく(写真)。
境内全体に樹木が生い茂り、「唐椿」「招霊(おがたま)」「無患子(むくろじ)」などの老木、銘木も多い。
至るところに古社の風格が滲み出て、誠に素晴らしい神社である。

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まもなく右手に随身門が見えてきた(写真)。
門から左右に回廊(一部築地塀)を廻らしてある。
切妻造りで重文指定されている。

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正面に入母屋造りの拝殿、本殿が建っているが、拝殿の前は現在工事中であったのが残念。
いずれも重文指定。
写真は拝殿。

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なお祭神は源満仲、頼光、頼信、頼義、義家という錚々たる源氏の武者。
外廟は砂利と砕石とでアクセントをつけて、巧みに清浄感をだしている。
写真は本殿

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また随身門の前右手には水戸光圀御手植の銀杏の木。
西門近くにある、六所神社の茅葺の優雅な姿も風情があった(写真)。
その他境内には田尻稲荷社、市杵島神社、金刀比羅宮などの末社がある。

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最後に正門に当る、南大門(写真)から出る。
この神社の入り口には南大門、東門、西門、政所門がある。


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南大門の前には、奇岩清流の大きな猪名川が流れ、赤い神橋がかけられており、これまた独特の風情が感じられて良い眺めであった(写真)。