林泉寺近くからタクシーに乗って次に訪ねたのは、JR米沢駅の一つ先の関根駅近くの普門院である。
米沢駅から先は電車が数少ないため、極めて不便な場所にある。
この普門院まで来る人はいないだろうと思っていたが、何と三組の人が見えていたのにびっくり。

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普門院の創建は853年というから結構な古寺である。
山号は岩上山、曹洞宗の寺院。
まず茅葺の赤い山門(写真)からして趣があり、やはり来て良かったと直感で思う。

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境内に入ると樹木、雑草がびっしり茂っており、雨風ですり減った地蔵像が二体立っている(写真)。
山寺というか、荒れ寺風な雰囲気が実に良い。


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大きな茅葺本堂に曲がり屋で続く茅葺の庫裏が、一枚の写真にはどうしても入らない。
写真は本堂のみで、その右側に茅葺庫裏が続いている。
現在の本堂は1798年の再建。
上杉鷹山が恩師細井平洲先生を出迎えて、この寺で接待対談され、敬師の美談として有名になったとのことで、建物、境内全体が国指定史跡。

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ところで普門院の奥さんが、われわれ二人のために堂内をご案内の上、説明していただいたのには感激した。それも無料で、である。
写真は本堂横の墓地の様子。

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タクシーは普門院を出て米沢駅に向かったが、普門院のすぐ近くに立派な神社が見えたので急遽ストップし立ち寄る。
羽黒神社であり、ここも鷹山の敬師郊迎跡として国指定史跡。
写真は鳥居から境内を望む。

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茅葺の随身門は、建物のみが残っている(写真)。
社殿はちょうど工事中であり、覆いがされていたのは残念。
境内には社務所のような民家のような茅葺建物もある。

米沢駅手前の宮坂考古館でタクシーを降りる。
ここには歴代城主の甲冑や鉄砲などが保存されており拝観する。
また「前田慶次特別展」を開催していた。
私は恥ずかしながら前田慶次を知らなかった。
原哲夫の漫画「華の慶次」で今、大変な人気なんだそうで、若い人がかなり訪れていた。
そういえば駅周辺に立つ幟も、兼続と慶次とが同じ位、立っていた。

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駅までぶらぶら歩きながら米沢の町を散策。
レトロなホテル音羽館も面白い(写真)。

女房殿が疲れたというので、駅前の喫茶店でトーストとコーヒーで遅い昼食兼休憩。
帰りの電車は17時40分と遅めなので、まだまた時間がある。
そこで一人でバスに乗り、思い残すことがなきよう、再び寺社廻りにでかけた。