神戸に滞在中、二泊で有馬温泉に義母と共に行き、親孝行の真似ごと。
初日は疲れもあり温泉につかりゆったりと過ごすが、二日目には予てより訪ねてみたいと思っていた花山院に出かけた。

神戸電鉄で三田駅に下車。三田市内の寺社は一度訪ねたことがある。
駅前の観光案内所で聞くと、バスの時刻まで40分ある。

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ブラブラと近くの三輪神社を訪ねる。
門前町が商店街として軒を連ね、地元に密着した神社であることがうかがえる。
奈良の大神神社を勧請したもので、祭神は大己貴命、八世紀の中頃にはすでにあったという古社。
真新しい社殿、社務所が清々しい(写真)。

駅前からバスに乗り花山院を目指す。
途中、中学校前の停留所で、女学生二人が乗り、まだ後から友達が来るので発車を待ってくれと運転手に言っている。
なんと5分も待たせて、ようやく友達も来る。
謝るでもなし、キャキャと騒いでいるのにはびっくり。
次のバスまで1時間半無いので仕方ないかなとも思うが、最近の女の子は理解し難い。

バス停花山院で下車。
一緒に降りた地元のオバサンの話では往復50分かかるので、帰りのバスには間に合わないだろうと言われる。
時刻表をみると、帰りのバスまで50分、次のバスはその一時間半後しかない。
少し急ぎ足で歩き始めるが、この坂道が急坂でまもなく息が切れ汗びっしょり。
何度も何度も休んだので、これではとても間に合わないと腹を決めて、さらに険しくなる坂道を登り始める。

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ようやくにして花山院の仁王門(写真)に到着。
花山院は西国三十三霊場の番外札所である。
というのは西国霊場を再興、巡礼開創をされた花山法皇の終焉地であり、廟所がある。
そのため西国巡礼に出かける前にまず花山院にお参り祈願してからスタートするとのこと。
兵庫県の寺院を廻っていると花山法皇の名前は良く出てくる。

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山号は東光山、寺名は菩提寺、真言宗花山派の寺院。
651年、法道仙人が開山の古刹。
写真は本堂で花山法皇殿と呼ばれる。
本尊は薬師瑠璃光菩薩。

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その右側には少し小さい薬師堂が並んで建っている(写真)。
西国薬師四十九霊場21番札所。


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また境内の一角に花山法皇ご廟所がある(写真)。
玉垣に囲まれて苔むした宝篋印塔があるのみの質素なもの。
天皇を無理やり降ろされるなど不運の人物だが、仁徳のある法皇だったとのこと。

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さらに本堂から左手の高台に客殿、寺務所などがあり、ここからの眺めが素晴らしい(写真)。
写真の左手の山が有馬富士である。
「有馬富士 麓の霧は海に似て 波かと聞けば 小野の松風」花山法皇御歌

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時計を見ると、バスの時間まで15分前。
下りは急坂を風のように舞いながら下る。
途中、天神神社があったので立ち寄る(写真)。
どうにかバスに間に合った。

実はバスに間に合わなければ、一つ手前のバス停の近くにある十二尼妃の墓に立ち寄る予定であった。
なんとも興味をそそられる名前の墓である。
花山法皇を慕っていた女官十二人が、お寺が女人禁制のため、尼僧になって麓近くに住み一生を終えたという。
そのためこの辺りの地名を尼寺(にんじ)という。
また彼女たちが琴を弾いて偲んだというので、先ほどの参道の険しい坂道を琴弾坂という。
何とも哀れであり、またロマンチックな話でもある。

私見で恐縮だが、花山法皇は寺院廻りと共に、女性廻りもお盛んだったのだろうか。
それに引き換え、私は寺社巡りのみであり、うらやましい限りである。

三田駅前の阪急2Fにある「コーヒーサンダ」で軽い昼食。
コーヒーを目の前で煎れてくれ、マイルド、ビター、ブラジル、コロンビア、キリマンジャロのいずれでも262円は美味しかった。