最勝院から西に歩くと24寺院が集まる新寺町に出る。
1649年の大火で類焼に会った寺院をここに移して新寺町とした。
ここには禅林街と違って、浄土宗6、真宗9、日蓮宗6、天台宗2、真言宗1寺院と、いろんな宗派の寺院が寄り集まっているのが特徴である。
前日訪ねたものと、この日とを合わせて12寺院を訪ねたが、その中からいくつか選んで書いてみた。

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まず一番東端にある天台宗の袋宮寺を訪ねた。
古い山門を入ると鄙びた、本堂に相当する仏堂が建っている(写真)。
三間四方でこじんまりしており、外部は質素そのものだが、内部の天井には天女の絵など彩色が施されているという。
本尊は十一面観音立像で5,75mあり、背高観音と呼ばれている。
1677年に建てられたもので今は荒れ寺風で無住か。

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さらに西に行くと、左手の民家の間を長い参道が続き報恩寺に至る。
山号は一輪山、天台宗の寺院で1656年の創建。
写真はその木造山門。

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歴代藩主の菩提寺として寺領300石を拝領、また天台宗の僧録所として栄え広大な境内を持っていたが、今はその面影はほとんど見られない。
本堂は1704年に再建されたもの(写真)。

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通りを挟んで向かい側に稲荷神社があった。
赤い小さな鳥居がずらり並び(写真)、質素な社が建っている。
1708年に勧請され、元は別当寺として白狐寺もあったので、白狐稲荷とも呼ばれている由。

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さらに前日に訪ね寺院について触れたい。
通りに沿って黒い板塀が続く大寺は貞昌寺である。
山号は月窓山、浄土宗の寺院。
多くの藩主の側室や娘を葬っているため「裏方菩提寺」と呼ばれているとのこと。
「言いえて妙」な言葉である。
写真は木造山門からの眺め。

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創建は永禄年間(1558年~70年)とされる。
本堂は鉄筋で新しいが、庭木の手入れが良く庭園風(写真)。
「一文字の庭」と呼ばれる築山泉水庭を見逃したのは残念。

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貞昌寺の西隣には浄土真宗の真教寺がある。
1540年の創建で、江戸時代には浄土真宗の僧録所でもあった。
屋根に雪止めが付いた大きな木造本堂が特徴的であった(写真)。

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さらに道路を隔てて西隣に専徳寺がある。
山号は一乗山、真宗大谷派の寺院。
1532年の創建。
黒門を入ると、威風堂々たる木造本堂が素晴らしい(写真)。

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この専徳寺の境内内に元塔頭であった浄龍寺がある。
山号は和秀山、真宗大谷派の寺院。
境内は狭いが、茅葺本堂(写真)なので印象に残った。

これで弘前市の主な寺院廻りは終わり、続いては弘前市名物である洋館の数々と、さらには弘前城、伝統的建築物保存地区などを訪ねる。