黄金博物館のあと九份の町を訪ねた。
山の斜面にへばりつくように町がつながる。
金鉱の町として栄え、その後衰退したが、映画「悲情城市」の舞台となり、再び脚光を浴びて、この日も観光客でごった返していた。
1990年、候孝賢監督によるスケールの大きい作品で、キネマ旬報ベストワン。いまヒット中の「レッド・クリフ」のトニー・レオンの出世作。
しかし日本人にとってはむしろ、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」のモデルになった町として有名である。
今回もその「湯婆婆の屋敷」のモデル館に立ち寄り感激。

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それにしても町の真ん中をうねうねと細く続く商店街は情緒がある(写真)。
正式には豎崎路といわれる。
みやげ物店や食堂が立ち並んでおり、売っている食べ物を見ると美味しそうだが、なかなか手を出す気にはならない。

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途中から右折して石段を降りてゆくと、「阿妹茶楼」という三階建てのどこか懐かしい建物がある。
これが「湯婆婆の屋敷」のモデルになったところ(写真)。
ここから宮崎監督はイメージを膨らませていったのであろう。それにしても雰囲気のある建物である。
なおここの三階のテラスにて、仲間七人でコーヒーを飲む。

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写真はその石段を降りたところから、見上げて撮ったもの。
実に狭く急石段だが、観光写真によく出ている場所。


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昼食は「野柳女皇餐庁」にて郷土料理。
続いて野柳地質公園を見学。
ここの岬の海岸一帯には、海の荒波や潮風によって浸食された奇岩怪石がずらりと並んでいる(写真)。

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中でも女王の横顔に見えるクレオパトラ女王岩(写真)が一番人気であり、ほかにも乳房岩などもあって楽しい。


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次に、バスは山道を登り始めて、テレサテン墓地を訪ねる。
この辺りは遠く東シナ海を見下ろす高台に高級墓地が並ぶが、その中でもとびっきり広い墓地があり、彼女のヒット曲が流れていた。
面白いのは墓地の真ん中に、大きな大理石を並べたピアノの鍵盤があり、踏むと音を奏でる(写真)。
テレサテンの墓地にはとんと興味はないが、これは珍しいものであった。

台湾の墓地は、死人をいったん土葬にして、8年後に掘り出して骨を納骨堂に納めるのだという、これは博識のガイドの弁。
それにしてもこの女性ガイドは良く喋るし、また大変な博識である。
年齢は30代後半と見たが、のんびりしたOLには馴染まず、転職を繰り返してガイド歴9年とのこと、恐らく彼女の天職であろう。
日本語も堪能であり、すべて案内して回り、ホテルに着いたらモーニングコールまで時間の調整をし、果ては携帯番号を教えて24時間待機でサービスに努めている。
一方で、お土産店での買わせ方も抜群で、結構稼いでもいるのだろう。
すこし話しがクドイのが玉に瑕で、いささかうんざりもした。
4日間びっしり聞かされて、帰りの飛行機の中で仲間同士にまで彼女の口調が乗り移っているのにはビックリ、これで彼女のすごさがご理解いただけたと思う。
続いては淡水を訪ねる。