昨夜はいささか、それも余り身体によくない日本酒を飲み過ぎたが、朝食はバイキングが美味しく十分に頂く。
ホテルをゆっくり目のスタートで、まずは原谷苑の枝垂桜見物にと思い、北大路バスターミナルに行く。
ところが原谷苑行きのバス待ちに長蛇の列。二時間に一本しか運行しないのに。
諦めてバスに乗り、金閣寺道に出る。
偶然バスに乗り合わせた人から聞き、ここから無料シャトルバスを待つが、全く来ない。後で待っていた女性連れ二人にタクシーの相乗りを言われ、タクシーを止めるも、運転手から渋滞が酷いからと拒否される。
仕方なく原谷苑に行くことは諦めて、またバスに乗り大徳寺の塔頭・黄梅院、興臨院の春特別公開の拝観に変更。

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まず黄梅院を訪ねたが、ここの拝観は初めてである。
由緒書によると、1562年に信長が秀吉に命じて父信秀の追善菩提のため、小庵を建てたのが始まりとのこと。
写真は受付のある表門と、左に見えるのが鐘楼。

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写真は受付を入ったところの庭園。
実はここから先はすべて撮影禁止ということで、写真は一切なし。
この黄梅院の特徴は茶室がたくさんあり、小さな路地が入り組み、それを繋ぐ渡り廊下が美しく絵になる風景だが、写真がないのが残念。
本堂、唐門、庫裏、襖絵は重文指定。

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また庭園では本堂前の破頭庭が実にシンプルで印象に残った(写真はパンフレットをコピー)。
その他、作仏庭、直中庭などもある。


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ここから拝観謝絶の他の塔頭、檜皮葺の華麗な勅使門、有名な山門などを見ながら、同じく特別公開の興臨院を拝観する。
ここは本堂内以外の写真はOKと、おおらかである。
また我々二人だけのために、物腰丁寧なご婦人のガイドが、実に丁寧な解説をして頂いた。
写真は表門で「興臨院の古門」として創建当時の面影を残し、重文指定。

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表門を入ると、正面に桧皮葺の唐門(重文)、右に庫裏がある(写真)。
なお本堂は檜皮葺、1533年再建で重文指定。


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1520年に室町期の守護畠山家によって創立され、畠山家の菩提寺。
まず方丈前庭の庭園は貝多羅樹が植えられた蓬莱庭園(写真)。
左に見えるのは唐門で室町時代の建築、花頭窓が美しい
また方丈内の日本最初の床の間の説明、タラヨウという葉書の木の葉っぱに字を書いた話、茶道の起こりは禅宗の僧侶が修行中に眠気に勝つためにお茶を飲んだことに由来するという話、などなど実に懇切丁寧な説明であった。

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本堂廊下の開き戸下部に施した獅子の彫り物が見事だったのでパチリ。



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法堂横の道を左折し、境内を西に横切り、紫野高校を過ぎると左に孤蓬庵がある。
かってはこの辺りまで境内だったのであろう。
しかしここは残念ながら、拝観謝絶であった。
茶室「忘筌席」を見れなくて残念。
写真は門前の趣きのある風景。

昨日の安楽寺といい、今日の大徳寺の塔頭といい、拝観者は外国人が圧倒的に多い。
有名寺院や原谷苑は日本のおバアちゃん達が殺到しているが、静かな庭園めぐりはどうも苦手なのであろうか。
日本古来の侘び寂びの世界は日本人ではなく、外国人にしか解らなくなったとは寂しすぎるし悲しい。

北大路通りに出て、昼食場所を探すがなかなか適当なお店が見当たらない。
ようやく「ひふみ」という手打ちうどん店を見つける。
これがめっぽう美味く「とろろ冷しうどん」750円に感激。
昨夜の分を取り返した感あり。