願成就院、守山八幡神社を含んでこの北部一帯は、旧北条家の館があったところで、史跡がいくつか残されている。
まずは政子産湯の井戸を探すが、なかなか判りずらかった。

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民家の塀に沿うように、ひっそりと政子産湯の井戸があった。
かたわらの梅花が、わずかに往時の主の栄華を偲ばせるのみ(写真)。
1157年、この地で時政の長女として政子が誕生した。
近年までこの井戸の水は、安産の霊験ありと妊婦に飲ませていたという。

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すぐ近くに伝堀越御所跡地が広がっている。
北条氏の屋敷跡地に、室町幕府は関東一帯を抑えるため堀越御所を構築し、1457年に足利義政の弟政知を伊豆に下向させ堀越公方とした。
今はただ27000㎡の草叢が広がっているのみ。

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少し北に歩くと成福寺がある。
山号は晴雲山、真宗大谷派の寺院。
鎌倉幕府滅亡の1333年、時宗の子、北条正宗が北条一族の菩提を弔うために建立した。
写真は木造本堂。
ハスの鉢がずらりと並んでいるが、200種、300鉢を数えると言う。

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またこの地には、時政が政子と頼朝のために建てた別亭があったという。
裏には正宗、母堂、時宗の墓がある(写真)。
すぐそばにも北条歴代墓所があったが、実に質素な小さな墓であった。戦いに破れた一族の宿命だろうか。冬の寒さも加わり荒涼たる雰囲気がものの哀れさをさそう。
そういえば願成就院の時政の墓も質素であった。

韮山駅まで歩き、電車で伊豆長岡駅に。
今日はタクシーを使ったため、歩きがまだ少ないのと、お昼のボリュームたっぷりの天丼のカロリー消化のため宿まで歩くことに。
これが結構遠くて約30分間、傘をさして歩いたことになる。
今夜の宿は山田旅館で伊豆長岡温泉では老舗である。
館内は複雑な迷路のように廊下が繋がり、風呂の帰りや朝食の場に行くのに何度か迷ってしまった。
しかし風呂は大きく清潔そのものであり、露天風呂も岩石を組み合わせた素晴らしいもの。
料理も小部屋で、料理も美味しくゆっくり寛ぐことが出来た。

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写真は旅館の庭園の中に立つ、離れの茅葺客室。
勿論、我々が泊ったところではないことを付言。



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もう一枚、庭園の中の写真。
これもやはり離れの客室。
ここも当然ながら、我々のあずかり知らぬ場所。