栗橋駅に降り立ったのは35年ぶり、二度目である。
現役時代、仕事で来たことを思い出すが、街の風景には全く記憶がなく、初めて訪ねた街といっても良い位である。

イメージ 1
ます駅近くの静御前の墓を訪ねた。
義経の愛人として余りにも有名であるが、この薄幸の二人は日本人好みの人物像でもある。
義経死亡の報を聞き、この地で尼になり1189年にやはりこの地で死んだとのこと。
時は経ち1803年、関東郡代中川忠英がここに墓碑を建立した。
小さな境内は旧跡光了寺に当たり、墓を中心に石碑が沢山立っていた(写真)。
しばし源頼朝の前で舞った静御前の面影を偲ぶ。

イメージ 2
147号線を利根川に向かって東に歩いてゆく。
人通りはほとんどなく、閑散としている。
まもなく右手に福寿院の墓地が見えてきた。
山号は天王山、真言宗智山派の寺院。
石仏群の先に木造本堂が建っている(写真)。
ほかには墓地の入口に福寿塩地蔵尊祠堂があるのみ。

イメージ 3
その先を南に向かって歩いて行くと、深広寺の境内に突き当たる。
山号は無涯山、浄土宗の寺院。
石柱門を入ると、だだっ広い境内に木造本堂(写真)、客殿が並ぶ。

イメージ 4
境内でひときわ目立つのはずらりと並ぶ石柱塔である。
六角名号塔といわれ、単信上人が1664年~1657年に造った千人供養塔が20基、その後1766年に造られた三千人供養塔が一基ならんで立っており壮観である(写真)。


イメージ 5
続いて利根川の土手に沿って続く60号線に出て、浄信寺を訪ねた。
山号は無量山、浄土宗の寺院。
植栽に囲まれて木造本堂が建つ(写真)。
他に十九夜堂、寿老人像などがある。

イメージ 6
すぐ向かいに顕正寺がある。
山号は幡谷山、真宗大谷派の寺院。
石柱門を入ると木造本堂(写真)、毘沙門天堂、親鸞像などがある。


イメージ 7
さらに日光街道の下をくぐったところ、利根川の土手近くに常薫寺がある。
山号は高林山、日蓮宗の寺院。
庫裏の間を抜けると木造本堂がある(写真)。
1853年の建造で、部分的に朱色であるのが新鮮。
本尊は一塔両尊四師像、日蓮上人像。不動閣、大黒天像などもある。

イメージ 8
せっかく利根川近くまで来ながら、利根川の流れを見ないで帰るのも勿体無いと考え、土手に上ってみる。
極めて見晴らしが良く、悠然と流れる坂東太郎に見とれる(写真)。
しかし見通しが良いだけに風も吹き抜けるし、寒さが身にしみる。

そのまま栗橋駅まで、町の様子を見ながら歩いて行く。
さらに寺社廻りは続く。