通る声を出す共鳴発声法
こんにちは。言語戦略研究所の齋藤です。
「通る声」の話を続けましょう。
通る声と通らない声の違いは、共鳴の違いです。
声帯で発声した音(喉頭原音)に共鳴を加え、上手に加工できれば、通る声になる。
共鳴の付け方が下手なら、通らない声になる。
それだけの違いです。
●我流では良い共鳴がつかない
「通る声は、よく響いている。私の声には響きがない」と、共鳴がポイントであることに気づく人もいます。
ところが、自己流で共鳴をつけようとすると、「うなる」「こもる」「押しつける」といった弊害を生じやすく、きもちよく通る声になりません。
うなるようなガラの悪い声になったり、ひらべったく潰れて歪んだ声になったりします。
声の意識が低い段階では、その手の声を「渋い」「カッコイイ」「若者っぽい」などと感じて好んだり真似したりする人もいるのですが、やがて声の意識が高まってくると「気持ち悪い」「聞いていられない」「一緒にいたくない」と感じるようになるものです。
あなたはぜひ、我流の発声ではなく、共鳴発声法をマスターしてください。
そんなに難しくないから、大丈夫ですよ。これから解説していきますから、お楽しみに。
●共鳴発声法の基礎はベルカント
言語戦略研究所で指導している「共鳴発声法」は、発声の世界標準であるベルカント(発声法)唱法を発展させた技法で、簡単に共鳴をマスターすることができます。
もともと「ベルカント」とは「美しい歌」を意味する普通名詞です。
専門用語や術語の類ではなく、現在でも厳密な定義は存在しません。
一般には、やわらかく軽やかな歌声を耳にしたときに「良い声だねぇ。ベルカントだね」などと言われる程度のラフで曖昧な捉え方をされているようです。
専門的な言い方をするなら、「自然で美しい声を広い声域にわたって維持するための高度な発声技術」であり、イタリアで確立した技法です。
マスケラ(鼻や頬骨あたり)の共鳴を特徴とし、完成の域に達したのは19世紀前半のロッシーニの時代とされ、この時代のオペラ(ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニ)は「ベルカント・オペラ」と呼ばれます。
言語戦略研究所ではベルカントの指導をしていますが、こと共鳴に関しては「共鳴発声法」で集中的に身につけてもらう方法を採用しています。
だから、何年もの修行を積まなくても、「通る声」が出せるのです。
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言語戦略研究所 齋藤 匡章
950-8113 新潟市中央区寄居町343-38
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