通る声(共鳴発声法で通る声を出してみよう) | 声美人は恋愛上手――言語戦略研究所の齋藤匡章が教える、発声と話し方が人間心理に及ぼす影響

通る声(共鳴発声法で通る声を出してみよう)

こんにちは。言語戦略研究所の齋藤です。


これまでに何回か、「通る声 」についてお話ししました。

販売員や教師、セミナー講師など、よく通る声が必須条件となる
職業があることも見てきました。


ところで、「よく通る声」とはどんな声なのでしょうか。


専門的な言い方をすると、声帯で発声した喉頭原音を
口腔、鼻腔、咽頭、舌などの発声器官によって加工し、
倍音を多く含ませたとき、声は「よく通る声」になります。


たとえば、「ラ」の音は純音では440Hz(1秒間に440回振動したときに
発声する音)ですが、実際にはその2倍、3倍といった倍数の
周波数成分も含まれています。


発声法によって倍音の含まれ方が異なり、2倍の倍音が強かったり、
4倍の倍音まで豊富に含まれていたり、倍音以外の音成分まで
かなり含んでいたりとバリエーションがあって、
音色が違ってくるわけです。


同じ「ラ」の音でも、一人一人声が違うのはそのせいです。


骨格(特に顎の形)によって声が決まると言われることがありますが
これも「発声器官の共鳴腔が骨格によってある程度まで
形成されるから」にほかなりません。


しかし、発声器官は骨格ですべて決まるわけではなく、
口腔や舌、唇など、柔軟に変化する器官が関与しているので
声が生まれつき決まっているわけではないのです。


専門用語を連発すると話が難解になるので、
いったんまとめておきます。


「通る声」は、倍音が豊富に含まれている声です。

倍音以外の音成分があまり多く含まれていると、
「通る声」ではなく「やかましい声」になってしまうので
ボイストレーニングでは注意が必要です。


レクチャーコンサートで「共鳴発声法によって共鳴を集める」
方法を教えていますね。


あれこそ、倍音を多く含む声の作り方です。


「通る声」は難しくありません。生まれつきの違いでもありません。
純粋に発声技術の違いなのです。


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言語戦略研究所  齋藤 匡章
950-8113 新潟市中央区寄居町343-38
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