最近はいつも別ブログに書いているので、こちらは久しぶりすぎて反省。
取りあえずすでに書いた記事を転記してしまおう!


2015年11月10日マチネ鑑賞

総括:★★★★★(星5つ)
10/16現在、個人的に2015年ナンバーワン舞台。
ただの実写舞台じゃなくて、歌舞伎になってるのがよい。

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話題の舞台で賛否両論あると思いますが。
15歳の時から歌舞伎を見続けている私は「すばらしい新作歌舞伎」だと思った!
いまだに興奮が冷めやらぬ、という感じ。

原作ファンにどう受け止められるかは怖いけど…
舞台が好きな方には是非オススメしたい。
歌舞伎見たことないけど、ワンピースなら知っているって方にもお勧めしたい。

ちなみに私の立ち位置はですね。
●ワンピースは読み続けてないが、有名キャラと世界観はわかるよって程度。
●歌舞伎はもう20年以上見ているけど最近の若い子はよくわからない。
若い頃は(笑)古典じゃないとーって感じだったけど、自分が小劇場系を見るようになってからは歌舞伎が他の演劇とコラボするのは歓迎(ただし脚本・演出による)

今回の脚本は「頂上戦争編」なので、実は麦わら一味は最初とか回想でしか出てこなかった。
長い長いお話を実質4時間におさめるので、キャラクターも話もかなり端折ってる&改変してるんだと思うが、かなりテンポは良かったと思う。私が話にちゃんとついていけたので、情報量的にバッサリ切ったところもあると思われる。
原作好きの人がどこまでそれを許容できるかだろうなぁ。

キャストの見どころとしては、ルフィ以外は最初は麦わらで出ていてから別の役で出ているのでその変化を楽しむのも面白いかな。
特に猿之助さんのルフィ/ハンコックの早変わりや、巳之助君のゾロ/ボン・クレーのギャップは見ものです(笑)
あと嘉島さんのブルック→赤犬とか、言われなきゃわからん(笑)
ブルックがちっこいのは容赦してあげて。嘉島さんはチビ玉って言われた人だから演技は抜群なのよ…

隼人君は色男枠ということでサンジとイナズマですが、サンジとしての出番が少ない!
確かに色男で美女に弱いんだけど、ちょっとお坊ちゃんすぎるかなぁ(笑)たぶん髭描いてないんだよな・・・小ぎれいなサンジwww
でも蹴りのアクションとか上手くて「いいじゃないの!」と思った。
あとイナズマは原作以上にかっこよく作られすぎてている模様。
えーその辺は歌舞伎界の事情ってやつでしょうけど。
名門・萬屋さんと大和屋さんの見せ場はつくらないとね…。

でも二幕のイナズマ&ボン・クレーの見せ場は本当にすばらしいです。
本水といって滝のように本物の水が流れるなかの立ち回りは圧巻で鳥肌立つ。

巳之助君のボンちゃんも出色の出来栄え。
ゾロはそうだなぁ・・・中井さんの声を意識し過ぎた気もするんだよね。
サンジとゾロが「ほら食えよ」「いらねーよ」って奥の方で小芝居してたのが嬉しかったわ・・・(お察しください)

エース役の福士君は…うん、がんばった!(笑)
この役は誰がやっても荷が重いよね・・・仕方ないよ。
でも彼だけが現実世界にいる雰囲気なので、そのギャップが良さでもあり、違和感を感じる部分かもしれない。
まだ1カ月以上あるからガンバレ!喉潰すなよ!

浅野さんはねーもうイワンコフがヤバすぎた。
アカンよこれは、飛び道具すぎる。
ニューカマーの世界を、まさか新橋演舞場で見れるとは思わなかったよ…私もだけど客席ポカーンってなってたけどさ。
猿之助一門の古くからいるお弟子さんの網タイツ姿とか、眩しすぎた。

全体を通して思ったのは脚本はほぼ現代語だけれど、衣装や演出はかなり歌舞伎の方に寄せているのが、歌舞伎好きとしては嬉しかったし、バランスが程よかった。

麦わらの一味が勢ぞろいして歌舞伎的な「名乗り」を上げるところとかもゾクッときたね。

殺陣は歌舞伎特有のゆったりとしたのもありつつ、新感線にも出ているメンバーが派手でスピード感のあるアクションを見せたりと、殺陣の組み合わせ方もよかった。
エースと赤犬が対決する場面の炎とマグマの表現とか。
映像だけじゃなくてアクションチームがかなり役割が大きいので、そういった点も注目したいところ。

今や歌舞伎は若手を中心にあらゆる試行錯誤をしてますが、その中でも当代猿之助はあらゆるジャンルの人を巻き込んだ上で、座長として主役をできる力量と魅力があるなぁと今回改めて思いました。

それがまさにルフィなんだよなぁ、と。

また澤瀉屋のお弟子さん含め「仲間がいるからこそ、成し遂げられる」というところもワンピースの世界観に繋がってるんじゃないかなと感じた次第です。