※この記事は極力ネタバレを避けています

 

現代でYouTube等の動画サイトを見ている方は「壺男」と言う単語に見覚えがあるかと思う。

壺男とは正式名を「Getting Over It」と言うゲームだ。

ゲームの内容は壺に入った男がハンマーひとつで山を登る。ただそれだけである。

強烈なビジュアルや奇怪な動きに加え、高難易度と言う事もあって巷ではバカゲー、クソゲーとして有名である。

そんな壺男をコロナ禍によってStay Home週間となったGWにクリアしようと思い立ったのが始まりである。

 

私自身は壺男を所持しておらず、完全な未プレイの状態からのスタートとなった。

そして今回のチャレンジに2つのルールを設ける事にした。

 

1:一日1~2時間まで

2:攻略サイトや動画を見ない

 

1に関しては「壺男はヤバいゲーム」と言う事前知識があった為、時間を制限することによって精神を保とうとした。自己防衛の為のルールである。

2は攻略見たらすぐ出来るだろうと思って自分に科した。このルールが思わぬ事態を生む。

 

経過に関して大まかなダイジェストを記す

・1日目

操作に戸惑いながらも1歩ずつ確実に進める事によって達成していく喜びを得る

・2日目

5合目と思われる難所についた。出来た所が出来ない事があるイライラを感じる

・3日目~5日目

ステップを進められない代わりに難所までの道のりがスムーズになる

・6日目

難所までの道のりを愛おしく感じる。そして初めて難所を突破する。

・7日目

難所のはるか先に訪れた急落ポイントからスタート地点へ戻される。GW終了と併せ、心が崩壊する。

・8、9日目

Twitterで感想を書くことすら諦める。改めて難所が突破出来ずに虚無になる

・10日目

難所を突破し急落ポイントに訪れる。

・11日目

ひたすら挑戦し続ける。未だ7日目の記録を更新できないまま12日目を向かえる。

・12日目

初めて進捗を更新する。震える手のままひたすら挑戦し続け、とうとうクリアする。

 

かくして12日、プレイ時間は17時間で初めて壺男をクリアした。

 

ここから本題の感想である。

攻略を見ずにプレイしてる自分に異変が起こった。

「攻略方法を知れば突破出来るはずなのに」と言うイライラである。

本来ゲームには最初から攻略法が記されている事は無い。と言うか昔はそうだった。

だが現代に於いては余程のマイナーゲームか発売直後でない限り、一定数の攻略方法を調べる事が出来る。

時には攻略を見ない事はロスに繋がり、余計な労力と時間を割かなければならないこともある。

故に攻略方法を調べる事が前提となり始めているのだ。

そんな環境に浸かりきっている事を実感させられた。試行錯誤を無駄と感じてしまったのである。

しかしこの壺男、シンプルな構造故に「たまたま」は存在するが「運に任せる」瞬間が無いのである。

つまり実は攻略を見たところで一定の技術が無いとクリアが出来ない。

非常に分かりやすい動画を参考にしつつプレイしたとしてもきっと4時間程度はかかるであろう。

このプレイ中に感じた「無駄な試行錯誤」は確実に自分の技術として身に付き、知識として蓄えられていった。

そしてこの記事を書いている13日目。攻略動画を確認し、私は一日に2度、壺をクリアした。

 

最初から攻略を見ていたら3度クリアすることはあり得なかった。

攻略をみた自分はきっと

「繊細で苦痛な作業を4時間繰り返しツライ気持ちでクリアして(もしくは諦めて)クソゲーと言いながらアンインストール」していたであろう。

試し、学び、知識と技術を蓄えながら一つずつ解決していく「本来のゲームの楽しみ方」をしていたからこそ、クリア時に泣きそうになったのだ。

それは苦痛や解放感の涙ではなく、喜びや達成感の涙である。

 

もしもこれから何かの間違いで壺男をやろうと思う人が居るならば、是非とも攻略を見ずにプレイして欲しい。

たまにはそんな不自由があっても良い、と思いながらプレイして欲しい。

そうして山を登りきった先の景色はとても綺麗だった。

 

攻略を見ない限り、Getting Over Itはクソゲーではなく良ゲーである。