先輩との出会いは、秋。
わたしが研修を終えて配属が決まり、正式に配属になった初めての勤務日だった。
朝の朝礼で、一人椅子に座ってわたしは緊張していた。
周りは本当に男の人ばかり。もちろん知り合いは一人もいない。
上司が気遣ってくれたけれど、ほとんどの周囲の人は、別の人種を見るような眼をしていた。
確かにわたしは少し特殊な存在で、周りが自分の想像していた以上に見られているということも、そのとき実感した。自分が人とは違うことを、配属になって改めて感じた。
うまくやっていけるんだろうか。
このまま珍獣を見るような眼で、見られるんだろうか。
そんな不安を感じていたとき、わたしの隣に座った人がいた。
それが先輩だった。
「わたし、同じとこで勤務します。よろしくお願いします。」
上司以外で話をした初めての人だった。
あの一言で、どれだけわたしが救われたか、先輩は知っているだろうか?
そう思うと、配属になってからずっと、わたしは先輩に支えられていたんだと思う。