エスコリアルウールのスーツ | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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今回は、ちょっと贅沢な希少性の高い“エスコリアルウール”で作製したストライプ・スーツの紹介です。

先週金曜日は都心で12月としては23年ぶりのひょうが降りみぞれ(初雪)も観測されて、今年最終の連休が明けて賑やかな“クリスマス”も終わり今年も残すところ6日となり、最低気温が5度を切り朝晩の冷え込みも増しつつ冬本番の陽気が続いている中で、まだコートを羽織らずマフラーと厚手の手袋だけでなんとか自転車通勤を続けている私ですが、北風を受け手足の冷たさを我慢が出来なくなるまではと、昨日は400gを超えるコート用カシミア素材のブレザーを2年ぶりに着て、厚手のカシミアの暖かさを実感させられながら、今年はオーバーコートの出番が少ないと思いつつ、通勤環境によって昨年までとの装いの違いをもろに感じているところです。

このスーツをお借りした方は、弊店がまだ汐留にあった2005年の秋からのお付合いで、「天神山流」の提案を気に入って洋服は勿論、シャツ、ネクタイ、ポケットチーフ、靴、靴下に至る小物までトータルで揃えていただいていて、長いお付き合いでそろそろ提案するネタがなくなりつつある中で、3年前からは“ハンドメイド仕様”に移行し品質の高い素材を意識的に選んでいただきながら、2年前の11月には「スーパー180‘sのスーツ」http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/52552442.html)でもご協力いただいていて、昨年は3着目のスーパー180’sと「カシミアのポロコート」を作り、今シーズンは「スパンカシミア」のブレザーで終わるところでしたが、11月より新たに加わった“エスコリアルウール”のコレクションをおすすめし試していただくことになりました。

この“エスコリアルウール”は、中世の北アフリカモロッコ南部のアトラス山脈の丘陵地帯が原産地のミニチュアシープで、16世紀のスペインのエスコリアル修道院において飼育され、王侯のみが着用を許された貴重な生地で、その後一度は絶滅の危機から奇跡のように復活を果たし、現在でも採取量が少なくカシミアの1%と言われ、英国エスコリアル協会が全ての原毛を管理していて、英国老舗ミルのみ生産が許され、数年前までは“Brioni”“CHANEL”のたったの2社しか生地を使うことが許されなかったほど入手困難な希少性の高い素材で、カシミア並みに柔らかいのにハリとコシがあり、しかも皺になり難いのが特徴と言われているので、実用性も含めこれぞ最高級素材ではないでしょうか。

モデルは、この方の体型とイメージに合っている「CRCS」(カラチェニ)を使いシングル3ツ釦段返り、スタンダードにフラップ付きのサイドベンツにして、スラックスは2プリーツで、“ハンドメイド仕様”ならではの総片返しのハンドステッチを施しています。

今回のコーディネイトは、ストライプのレギュラーカラーシャツに、ハッキリとした大柄のハウンドトゥースのネクタイを締めて、お気に入りでよく使っている“DRAKES”社のウール&リネンのポケットチーフをスクエアーに飾り、靴は「古いアメリカ靴」コレクションで“JOHNSTON&MURPHY”社製のフルブローグで決まりですね。



お店“TENJINYAMA”は、12月28日(土)まで営業いたしますが、このブログは2013年最後の更新となります。
年明けは1月6日(月)から営業を開始して、ブログは9日(木)からのスタートを予定しています。

今年は、3月に銀座6丁目から2丁目へ移転して有楽町の駅も近く人通りも多く賑やかな環境に慣れつつ、来年2月には弊店“TENJINYAMA”が汐留にオープンしてから10周年で、洋服へのこだわりのある皆様に支えられてなんとか続けられていることと、偏りの強い内容のこのブログも7年半が経ち、飽きずに購読していただいている皆様に支えられていることに、心より感謝しています。

それでは皆様、良いお年を!!