チョークストライプのダブルブレスト | 天神山メンズスタイル

天神山メンズスタイル

天神山は、手抜きをしない本物の洋服を作り続けて40年、長く愛着を持ってお付き合いできる、時代に左右されない洗練された普遍のモデル、こだわりの正統派スタイルを提案し続けています。
京浜急行青物横丁駅より徒歩2分、赤煉瓦の建物です。
東京都品川区南品川5-8-21

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「2012年秋冬商品紹介」第2回目は、私の一番好きな冬シーズンには欠かせない定番柄「チョークストライプ」で作った、オーダーならではのダブルブレストのスリーピース・スーツの紹介です。

先週は台風一過で都心では今季初の真夏日を記録してからは梅雨空が続くと思ったら、今週に入ってからは湿度の低い爽やかな“五月晴れ”が2日連続で続き、この時期としては珍しく過ごしやすい陽気になりジメジメやムシムシが苦手な私にとってはラッキーと思いつつも、今週末にかけては湿度&気温共に上昇予想で、とは言っても既に行き帰りの通勤時以外は上着を羽織らない悪い癖が定着しちゃっている情けない私です。

このスリーピース・スーツは、私自身が秋冬シーズンの1着として選んだもので、毎シーズンサンプルを兼ねながら2着ずつ作り続けてだいぶ揃ってきていると感じつつもまだまだ作りたいものが多い中で、今年の1着はブルー系の「チョークストライプ」と決めていて5年越しで作ろうと思っていたイギリス製「Martin & Sons」の目付けのしっかりとしたフランネル素材にしようと思いながら、昨年も書いていますが、歳をとってきたせいかソフトな素材へと気持ちが傾きつつ、カシミア混紡で綾目がはっきり出ていてダークブルーの絶妙な配色が気に入り早々と作製し5月には出来上がっていました。

この素材は、弊社「天神山リミテッド」が技術指導して高品質の縫製を維持し世界中からの評価も高い「DAIDOH」社の上海工場在庫生地の中から選んだもので、400gと目方がある割にはカシミア10%混紡でしっとりとした肌触りで、ストライプの幅となんと言っても絶妙な配色が決め手になり、今年の初めにサンプルが届いた時に一目惚れしてお気入りの素材となりました。

今年から日本国内の切り売り生地販売をやめた為に「ミリオンテックス」の名で知られる高品質の素材がオーダー業界では流通しなくなったのですが、弊店「TENJINYAMA」が提案している最上級クラスの「ハンドメイド仕様」は、同工場で作製している為に特別に使用できることになり、更に、生地を送る手間が省ける為にハンドメイド仕様の割り増し料金も通常の半額とお値打ち価格の設定にしましたので、素材の種類限定ですが、価格の差以上に出来映えが向上している「ハンドメイド仕様」をまだ試されていない方には、より長く付き合える冬物と言うこともあって、是非この機会にご利用いただければと思っています。

モデルは、私が最近お気に入りの弊社が扱っているモデルの中で一番クラシックなゴージラインが低く幅広の襟が特徴の「RDSZ」(ローマンクラシック)を使い、6ツ釦2ツ掛けのダブルブレストで、チェンジポケット付きのサイドベンツにして、「白井さん流」にウエストコートを加え、スラックスがサスペンダー釦付きの2プリーツにして、スラックスも含め「ハンドメイド仕様」ならではの総片返しハンドステッチを入れています。

今回のコーディネイトは、いつも使っているラウンドカラーのクレリックシャツに、胸元はだけは梅雨空を吹き飛ばす明るい気分でヘビーシルクの大柄ペーズリーのネクタイを締めて、ペーズリー柄のポケットチーフを華やかに飾り、靴は私のお気に入り「古いアメリカ靴」のフルブローグでいかがですか。

先程もちょこっと書きましたが、毎シーズン2着ずつサンプル兼ねて作製していて9年目ともなると揃いきって作るものがなくなると思われるかもしれませんが、見返してみるとダブルブレストの「チョークストライプ」は2004年の「CARLO BARBERA」社のネイビーフラノと2007年の「HOLLAND & SHERRY」社のダークグレーのウーステッドと2010年の「DRAGO」社のミディアムグレーのスーパー180‘sの3着だけで以外と少なく、ネイビーがだいぶ擦れてきたしとか思っていると、まだまだ「チョークストライプ」だけでも色や素材を変えて2~3着は必要かと、こんな事を考えていると永遠と作りたいものが尽きないなどと思いつつも、最大のネックになっている収納には限度があるしと、私も含め弊店のお客様の皆さんが一番悩んでいるところです。