今回は、湿気の多い日本の春夏シーズンに適している素材「フレスコ」のストライプ柄で作った、オーダーならではのダブルブレスト・スーツの紹介です。
今週になってまた九州北部から西日本では集中豪雨の被害が拡大している中で比較的穏やかな東京地区は梅雨明け間近を感じながら、そろそろ強い日差しの夏本番を迎えようとしていますが、私の服装も蒸し暑さに耐えきれず車内以外では上着を手に持つようになり、脱ぎ始めると着れなくなるダラシナイ毎日がこれから2ヶ月は続くかと思いながら、店頭に飾ってある秋冬のおすすめサンプルを眺めて気分だけはビシッと着飾る秋冬に着々と向かっています。
今回のスーツの出来上がりをお借りした方は、私がこのブログをスタートして2年目の2007年の11月に「スエードのセミブローグ」(http://blogs.yahoo.co.jp/ginza645/37988946.html)の記事に対して共感してコメントをいただいての出会いで、私も出会う以前よりこの方の「着こなしを楽しむ」(http://executive.at.webry.info/)ブログを毎回楽しく拝見させていただいていて、服飾業界の私が見ていても驚くほど濃い内容で、ご自身で体験しながらのレベルの高い着こなしと、長く愛着を持って付き合っていると思われる洋服や靴の名品の数々には、、感心させられっぱなしです。
今回初めて弊社のパターン・オーダーを試されることになり、内容の濃いワードローブに加えていただけるのを光栄に思いながら、長年の経験に基づいたハイレベルな着こなしを楽しんでいただきながら、“流行ではなく男のあるべき姿“を提案している「天神山流」を少しでも理解していただければと思っています。
この素材は、弊店が4年連続で春夏シーズンのおすすめ素材として提案している、イギリス製「MARTIN-SONS」(マーティンソンズ)の3PLY(3本の糸を撚ってる)の、450gでかなり目方のある本格的なフレスコの復刻版で、通気性がよく皺になり難く独特のしゃり感が特徴なのですが、蒸し暑い日本の真夏にはフランネル素材より重たい目方が敬遠され気味だったので、実用性を重視して今シーズンより加わった2PLYの280gの目方を選んでいただき、暑がりで異常な汗かきの私には挑戦出来ない、ストライプの幅が18mmに相性の良いダブルブレストにしました。
モデルはこの方が以前より挑戦したいと言われていた「CRCS」(カラチェニ)を使い、ナチュラルショルダーで大きめで湾曲した襟に縞が沿わず抜けるのが特徴のダブルブレストで、6ツ釦2ツ掛け、サイドベンツ、アクセントでチェンジポケットを付けて、柔らかさと立体さが増してきているハンドメイド仕様ならではの、スラックスも共に片返しハンドステッチにしています。
今回のコーディネイトは、オックスフォードのボタンダウンシャツに、冬っぽく見えないように意識して赤×白のシルクサッカーのネクタイを締めて、前回使ったブルーのパイピングがアクセントの麻のチーフをスクエアに挿して、靴はオリジナルの傑作「Uチップにウイング飾り」を前回に続きしつこく合わせています。
「2010年春夏商品紹介」は今回で最終にしようと思っていますが、見返してみると今シーズンはお客様に協力していただきながらの紹介が多かったこともあり、自分自身がダラシナクなり気持ちの入らなくなる為か秋冬と比べ品種が少ないこともあり今までの2年間が10回以内の紹介だったのが今回は15回と充実した内容になりました。
前回紹介したチョークストライプのスリーピースに続き2010年秋冬シーズンのおすすめの新着が続々と出来上がってきて店内も徐々に秋冬へと着せ替えをしながら、来週より紹介していきますので、乞う期待下さい。