熊野へ 3 | 平井部

平井部

平井和正愛好部

神社仏閣巡りレポ
& ほめほめ雑記

 

 那智の瀧を拝んでから、お盆の法要が始まるまでしばらく間がありましたので、先に下に車を取りにいっておくか迷ったんですが、動く距離は一緒なので、もうゆっくり過ごすことに。

 ほとんど閉まってしまっている土産物街を歩いて、冷たい缶ココアを飲んで休憩しようと、駐車場のベンチに腰掛けて、ふと見上げたところ……

 

 すご~いっ、なんですか、この光はっ?!

 

 

 

 

 那智の社殿のあるお山から、観音さまの後光のような光がさ~って射しています。

 すごい奇麗で、しばらくみとれてしまいました。

 

 

 

 さっきの参道をまた登って、今度は左の熊野那智大社の方へ。

 

 見晴し台のベンチに腰掛けて、ゆ~っくりと。この時間になると、心地よい旋風が吹いてきて、まだ汗が乾いていない状態では寒いくらいでした。

 

 

 

 

 

 

 うす桃色の空が、次第に青みを増してゆき。1時間ほど待ち時間があったんですが、“仏のサイン”こと御朱印帳を眺めて、今までのお参りを反芻しとりますと、あっという間に時間が過ぎてしまいました。鳥さんはずっと鳴いてくれてましたが、立ち去る間際に、一羽の小鳥が社殿の屋根の端にとまって、すごい奇麗にさえずってくれたのが印象的でした。

 

 

 

 開始時間の7時少し前に、青岸渡寺のお堂へ。

 

 

 

 

 参列者の皆さんはぞくぞく集まってきてらして、内陣に入って法要が始まるのを待ってらっしゃいました。ぼくは勿論、一般の見仏人ですので(^_^)、外陣の隅の方で、邪魔にならないように眺めさせていただきました。

 

 

 ご住職と思われるにこやかなお坊さんが出ていらして、ご挨拶の後、ご本尊に向かって、般若心経などのお経を唱えた後、ご詠歌の奏上を始められました。西国1番から番外までのご詠歌を、順に上げていかれるのですが、なにせ三十三プラス三カ所ですから、かなり上げがいがありますね(^_^)。

 

 この時点では、まだいつものように、お厨子の前には、愛らしい御前立ちの如意輪観音さまがいらっしゃいました。

 

 四十分ほどでご詠歌は終了し、十分の休憩をはさんで、いよいよご本尊、如意輪観音さまの御開帳です。休憩の間に、御前立ちさまが横におどきになって、正面には金襴の幕があるのみ。

 

 

 高まる読経の音の中、するするとゆっ~くり幕が上がってゆき、最後に、内側の白い幕がすとんと落ちて……

 

 

 き、きれい……

 めちゃくちゃきれい……

 

 なんて美しい観音さまなんでしょう。

 

 伏し目がちの麗しいお顔を、きらきら銀色に輝かせた観音さまが、其処にいらっしゃいます。

 

 まず感じたのが「天女!」っていうイメージでした。

 

 如意輪観音さまって、中性的な魅力を持ってらっしゃる方が多いんですけれども、このお方ははっきり女性の麗しさを発散してらっしゃるように感じました。

 

 

 それにしても、銀色に輝くお身体のこの質感は何なんでしょう。

 外陣から見ただけでは、素材が何か分からない、本当に銀でできてらっしゃるようにきらきら光っているんです。本当に其処にいらっしゃるかのような、美しさと存在感……。

 

 

 ガイドブックには「像高約3メートルの素地像」とありましたので、岡寺や石山寺のような巨きな観音さま像を想像してたんですが、ぜんぜん雰囲気は違いました。あくまでもたおやかで、そんなに巨きいようには見えなかったです。

 

 お姿は、中央部しか拝せなかったのではっきりとはわかりませんが、おそらく六臂の典型的な如意輪さまのお姿。正面からは、お花を持った左手が、少し見えておりました。

 

 

 ずっと憧れていた那智の如意輪観音さま。

 想像を遥かに上回る素晴らしい方でした!!

 

 思えば、初回にいきなりこの方にお逢いできなくって、逆に良かったですね。

 三十三所回り切って、最後にこの方にお逢いする! って念願を心に秘めてたからこそ、味わえた感動のプレゼントだったと思います。

 

 

 感謝の言葉しかないです。

 

 ありがとうございました!!