古賀政男さん特集、惠ちゃんの歌唱曲は5曲もありました。
東京ラプソディー、男の純情、悲しい酒、残照、無法松の一生。
惠ちゃんは、上手いのは当たり前なので、特に気づいた点のみ。
①東京ラプソディー(昭和11年)
1番出だし「現に夢見る君の~」の、「の~」
2番「夜更けにひととき寄せて~」の「て~」のこぶしというか、細かな
ビブラートが、心地よく美しいなあと、これ超絶技巧。
②悲しい酒(昭和41年)
ギターとマンドリンのみの演奏。
瞬きを忘れそうなくらい、感動しました。
まるで、大正ロマンの竹久夢二の世界感、それはマンドリンの細かな
音が琴線にふれるからかも。
中低音で優しく物語は進み、高音で悲しみを昇華させる。
以前、この曲を2014年のコンサートDVDで聴きました。
そして、今日、もう一度拝見し、再確認してみました。
その時も、スローな曲は、いくら上手くても飽きてくるというか・・.
また、出だしから、ひばりさんに声が似ているなあと。
出だしを中低音で声を響かせ、高音では切ない感じ。
今回とは、全く逆のパターン。
惠ちゃんは、地声で高音での熱唱があり、独特の世界観。
ひばりさんは等身大の歌唱、惠ちゃんは時空をこえた歌唱。
惠ちゃん、凄すぎます。
③無法松の一生
無法松というよりも、若旦那風でお上品。
昨年の徳光さんの番組(4/12)では、歌謡浪曲風で、ドスが効いて
男っぽくてホレボレしました。
そして、昨年の6月11日での、北九州でのコンサートでは、鳥肌
がたちました。
男の生き様が豪快に語られ、身体は波打つように動く動く.
まるで太鼓を打っているようにおみ足も高く上げたり・・・。
無法松が大暴れしていました(笑)。
お着物では無かったですが、そんなの関係ないド迫力でした。
今日は、ちょっと中低音の響きがと思いましたが、口内炎
のせいなのかも。
高音は、喉に負担がかからないので、全開でしたから。
それか、「悲しい酒」で、体力を消耗されたのかも。
まさに時空をこえましたから・・・。
(補記)
「悲しい酒」で、何故惠ちゃんに大正ロマンを感じたのかちょっと気になり
調べてみました。
合わせて「無法松の一生」も。(下記敬称略)
①古賀政男(1904年福岡県生まれ)
②岩下俊作(1906年小倉生まれ)「富島松五郎伝」(1941年)の作家
③↑「無法松の一生」(1943年)、映画化
④「無法松の一生」1958年村田英雄でリリース
大正時代(1912~1926)
竹久夢二(1884~1934年)
大正時代は15年と短いですが、大衆の文化芸術が花咲きました。
なので、古賀政男さんも岩下俊作さんも、竹久夢二を代表する大正ロマンの
影響を思春期に色濃く受けられたと思います。
このころ海外ではアールヌーボーから
アールデコ(1910年代半ば~1930年代)の時代へと。
1920年代のモダンガールは、アールデコっぽいですからね。
私は、アールデコ好きなので大正ロマンが好きなのかもしれません。
話は変わり、「無法松の一生」
あらすじでは、帰省した坊ちゃんと五高の先生の要望で太鼓を叩く。
流れ打ち、勇み駒、暴れうち。
数日後、夫人に対する思慕を打ち明けようとするができず、彼女から去る
ことに。
その後、酒におぼれ、ついに雪の中で倒れて死ぬ。
遺品の中に、夫人と敏雄名義の預金通帳が・・・。
無法松はどんな思いで、太鼓を叩いたんだろうかと思いを馳せる。
きっと、叩きながら、夫人への思いを伝えようと決めたのかな。
だから、惠ちゃんが暴れまくって歌うのは、在りなんだと思う。
その後の、不遇の死へと誘われてしまう、ひと時の命の燃焼。
終わり
(追記)
この収録いつか気になり、惠ちゃんの
ブログで検索すると、7月2日かなと。
久しぶりの歌唱なので、当然ですね。
口内炎ではありませんでした。
惠ちゃん、申し訳ありません。