おや、幸せそうだね。

と、誰かが私に仰った。
誰かとはワタクシの事だが。

好ましい人に出会うのは大きな幸せだ。
手を握る感触。
触れ合う髪。
その人特有の匂い。
それら全てが私の脳裏を焦がしていく感覚。
おそらく、これが恋慕というやつなのだろう。
どうしようもなく、愛しい。
どうしようもなく、恋しい。

けれど、別れなければならない時間はすぐに来てしまう。
なんと寂しいことだろう。

そんな瞬間だけ、私は思うのだ。
半信半疑の神様に向かって。

嗚呼、時間を止めてください。
このまま。この幸せなまま。


けれど、神がこの願いを叶えたことは、1度もない。
神を完全に信じないから、叶えて貰えないのだろうか。
それとも、もしかしたら。
神すら出来ないのかもしれない。
幸せをずっと留めておくことは。