どうも、みなさま。
作文風味で大学に住む猫の話を書いたので掲載しようと思います。
お暇があれば読んで行ってください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大学の猫
僕の通う大学には一匹の猫が住んでいます。
しっぽがギザギザにひんまがっている艶やかな黒髪のべっぴんさんです。
僕はあの黒猫が彼なのか、彼女なのかは知りませんが、たぶん彼女です。
あんなにも気高くて、美しくて、優雅で、自由気ままな方が彼であるはずがないのです。
なので僕はあの黒猫のことを彼女と呼ぶことにして、少し彼女のお話をしたいと思います。
彼女と初めて出会ったのは大学に入って一カ月ぐらいしてからでした。
確かあの日は空が澄み渡っていたと記憶しています。ほどよい暖かさとほどよいそよかぜが気持ちよく、日向ぼっこをするには最高の状況でした。
だからでしょう。彼女は生協の建物のすぐわきの歩道で寝そべっていました。
アスファルト舗装された道はほどよく日の光に暖められていて、とても気持ちよさそうでした。
遠くから見たときは何か黒いものが落ちてるなぁ、としか思いませんでしたが、近づいてみてそれが猫だとわかると僕は感激したのです。
僕は猫が大好きで、眺めているだけで日が暮れてしまうというくらいなのです。だから引っ越した先の大家さんが猫を飼っていると知った時も感激したものです。
大家さんの猫は白地にところどころ灰色が混ざった毛をもつ方なのですが、とても大きく王者の風格があります。名前は「レオ」というらしいです。
彼は地元の野良ととても仲が良くてさまざまな場所で遊んでいるのを見かけます。その度に僕は幸せな気分に浸れるのです。
そんな僕ですから、家の近くだけじゃなく、大学にも猫がいるとわかった時の夢見ごこちといったら、もう言葉では表せません。
ともかくも、その日から僕は大学に行くのが少し楽しみになりました。
朝とお昼には必ず生協に寄って、彼女がいないかちょっとさがしてから授業に行くのです。
彼女はとても気まぐれでたまにしか会えませんが、今日は会えるだろうかと期待しつつ大学にいけるのでそれはそれで楽しいのです。
どこからともなくトテトテ現れて、いつの間にかいなくなっている彼女は、いったいどこにお家があるのかもわかりません。
一度、彼女のあとを追ってみようかと思ったりもしたのですが、はたと気がついたのです。
謎のある方は言い知れぬ魅力があると。なので僕は彼女のお家がどこにあるのか、彼女はいったいどこで夜を過ごしているのか気にしないことにしたのです。
それに彼女はとても自由奔放なので毎回眠るところなど変えていることでしょう。
それからもごくたまに彼女を見かけますが、いつもトテトテ歩き回ったり、寝そべったりしています。
たぶん、とても居心地がいいのでしょう。
そういえば一度、彼女を図書館の前で見かけました。
生協と図書館はあまり離れていないので不思議ではないのですが、その時の彼女は少し変わっていました。
彼女を見て足をとめた人たちの足元にすり寄って来たのです。いつも、あまり触れあうことのない彼女なので僕はちょっとだけ変だな、と思いつつも授業へと向かいました。
帰りになると今度はいつものところで寝そべっていました。よく見ると若干やつれているようにも見え、夏休み明けだったので、夏休みはあまりご飯にありつけなかったのか
と心配になりました。
けれども、僕はその時お金を持っていなくて泣く泣くその場を後にしたのです。
それから、一年ぐらい彼女を見かけませんでした。
僕も少し忙しくて周りがあまり見えていなかったこともありますが、それでも、僕の目は猫を見逃すはずがありません。
なのできっと、彼女とは間が悪くて会えなかったのでしょう。
そうして、二年生の九月。
僕は再度彼女と出会いました。
彼女は何ら変わりなくトテトテ歩き回っては日向で寝っ転がり、気ままに過ごしていました。
僕はほわほわした気持ちでベンチに座ってずっと彼女を見ていて、一回り大きくなっていることに気がつきました。
初めて見たとき、もう大人だと思っていたのですが、どうやらまだ成長途中だったようです。
彼女がいつから大学に住みついているのか知りませんが、いつまでもいてほしいな、と思いながら僕はいつまでも彼女を眺めていました。


