聞くことに徹するつもりだったけど、旅人さんの話を聞いていたら我慢できなくなって、口を挟んでしまった。

私「〇〇旅行の時って…」

夫「うん…」

私「旅行中、たくさんメールくれたよね。Skype通話も毎日…」
 
夫「うん…」

「あなたにも見せたかったよ」「次は一緒に来よう」って、楽しそうに話してくれた。

私「絵葉書も送ってくれたね。」

夫「うん…」

私の好きな物語に出てくる建造物の絵葉書。
今から投函するよー!ってメールくれたから、届くまで二週間くらいワクワクしてた。

私「お土産の刺繍のハンカチ、(私の好きな)〇〇の柄の…お店を何軒もまわって探してくれたって…」

夫「うん…」

お店の人に「婚約者へのプレゼントを探してる」と伝えたら、張り切って店の奥から探してきてくれたって言ってた。
英語も通じない国なのに夫さんは凄いなって、すごく誇らしかった。

私「違う人と一緒だったんだね…」

夫「ごめん…本当に…最低だ…」

私「そうだね…」

夫さんの声に嗚咽が混じる。
私は、ため息も出ない。

私のことをそんなに思ってくれていながら、どうして他の女の人に手を出せた?
私の声を聞いても、顔を見ても、罪悪感は感じなかった?
どうして、そんな平気な顔で嘘がつけるの?
本当に気持ち悪い。同じ人間とは思えない。


夫さんは肩を震わせて泣いているけど、まだ話は途中だ。
私は続きを話すよう促した。